ボルボ、600馬力のハイブリッド車「ポールスター1」の予約開始…2019年にボルボ初のEVを投入

ボルボ ポールスター1

ボルボ・カー・グループのパフォーマンスブランドであるポールスターは、独立エレクトリックパフォーマンスブランドとしての新構想を発表した。具体的には、初めに発売する3つのモデルと中国の新専用工場、そして新たな業界基準を打ち立てる顧客重視の販売手法についての計画を公表した。

さらに、2019年半ばに発売予定のポールスターのファーストモデルとなる、最高出力600馬力のポールスター1を公開した。

ポールスターブランドの未来を予感させるポールスター1は、エレクトリック・パフォーマンス・ハイブリッドドライブトレインを備えた2ドア2+2シーターのグランツーリスモクーペ。エンジンとモーターを併用するポールスター1は、電気のみで150km走行することができる。これは市場にあるハイブリッドカーのEV走行において最長となる。最高出力600馬力、最大トルク1000Nmと高性能車セグメントで確固たる地位を確立する。

ポールスター1は、ボルボのスケーラブル・プラットフォーム・アーキテクチャー(SPA)をベースに、約50%がポールスターのエンジニアによって新たに設計されている。ダイナミックな走行特性を強化するために、多くの新テクノロジーを採用して真のドライバーズカーを目指すとしている。

また、ポールスター1は、世界で初めての先進シャシーテクノロジーであるオーリンズ社製新型連続電子制御サスペンション(CESi)を搭載し、軽量化に寄与するカーボンファイバーボディがねじり剛性を45%改善、車の重心も低くしている。

さらに、ポールスター1はトルクベクトリングを可能にするダブル・エレクトリック・リアアクスルを備えている。これにより、ドライバーに対して各ホイールのロードグリップを最大限に保ち、コーナリング時に速度を維持して精確な加速をサポートする。

ボルボ ポールスター1

ポールスター1は、中国・成都に建設される最先端のポールスター・プロダクション・センターで生産される。ポールスター・プロダクション・センターは現在建設がすすめられており、2018年半ばに完成する予定になっている。

また、ポールスターの車両はすべて、ポールスター・アプリまたはオンラインポータルを介してオンラインで注文され、2年または3年のサブスクリプション方式で提供するという新たな販売スタイルを採用する。

なお、2017年10月17日からポールスター1の注文予約受付が開始されている。

頭金なしで、全て込みのサブスクリプションには、ピックアップとデリバリーサービス、ボルボおよびポールスター車の代車レンタルサービスなども含まれており、それら全てが月額の支払いに含まれている。この定額のサブスクリプションによって、ユーザーは簡単な手続きでポールスター車を入手することができる。

Phone-As-Keyテクノロジーでは第三者とバーチャルキーを共有することや、多数のオンデマンド機能にアクセスすることも可能。さらにコンシェルジュサービスは、運転手がドライビングプレジャーのみに集中できるようにサポートを提供する。

今後登場する全てのポールスター車は、完全電動のパワートレインを備えることになる。2019年末に、ボルボ・カー・グループ初の電気自動車(BEV)となるポールスター2の生産が始まる。この中型BEVは、テスラ モデル3などとの競争に加わり、その結果としてポールスター1よりも販売台数が多くなると予想される。初期段階のポールスター車のラインナップは、ポールスター2に続いてエレクトリックパフォーマンスとドライビングダイナミクスを現代的に表現する大型SUV BEVのポールスター3が揃うことで完結する。

また、ポールスターは、ユーザーがポールスターブランドとより密にコミュニケーションを取れるよう、世界中にポールスター・スペースのネットワークがオープンする。ポールスター・スペースは、ポールスターのユーザーが製品やブランドと触れ合うことのできる場所で、既存のボルボ販売ショールームではなく独立した施設となる。

ポールスターCEOのトーマス・インゲンラート氏は、「ポールスター1は、ボンネットにポールスターバッジを冠した最初の車です。美しいGTで最高のテクノロジーが詰まった素晴らしい車です。新しいポールスターブランドにとっての重要なスタートとなります。将来、ポールスターの全ての車は、完全に電動化されたドライブトレインを備え、新しいエレクトリックパフォーマンスブランドとしてのビジョンを実現します」と述べた。

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