「時給や月給で働く人」が貧困化する理由

世の中で何事かを成したいと思うなら、私は時給で給与をもらう仕事から真っ先に足を洗ったほうがよいと考えています。

どうやったら価値を生み出せるかを考えることが「仕事」

時給で単純労働をしてくれる人がいるからこそ、世の中の便利なサービスが受けられることも事実です。しかし、世の中に何事かを成したいと思うなら、時給でお金がもらえるラクな仕事から真っ先に足を洗ったほうがよいと私は考えています。

時給制の問題点は、あなたの仕事のクオリティや成果にあまり関係なく、賃金が支払われるということです。

多少の差はあるにしろ、少しくらいサボったとしても、たとえばコンビニで5時間働けば、5時間分の賃金が支払われます。忙しい店でも、ヒマな店でも、時給800円と決まっていれば、5時間で4000円が支払われます。これでは、どうやったら価値を出せるかを考え、一生懸命働くことがバカバカしくなります。

とりあえずその時間が過ぎればお金がもらえるのですから、どうせならラクな方がいいに決まっています。 極端な話、何もしなくても(とりあえず出社して仕事をするフリをしているだけで)お金がもらえるとなれば、誰でもヌルくなるでしょう。そうすれば、与えられた仕事をきちんとやる人なら、時給がより安い人にスイッチされます。雇う側からすれば当然です。

すると、日本語を話せてまじめに働く低賃金のアジア人の方が経営にとってはプラスです。あえて日本人を雇う必然性はありませんから、日本人の働く場がアジア人に駆逐されていきます。その人件費すら非効率となれば、機械を導入して自動化します。そして人は不要になります。

労働時間に関係なく成果でお金がもらえる人になろう

しかし、クリエイター、自営業者や起業家は、いくら長時間働いても、それが売れなければ収入はゼロです。逆に、1日1時間しか働かなくても、売れれば収入は天井知らずです。つまり、目に見える労働時間には関係なく、より付加価値のあるアウトプットを出せたか、人の役に立てたかどうかが問われます。これは恐怖であると同時に、醍醐味でもあります。

そして、この厳しさは、個人を鍛えてくれます。「何が売れるか?」「どうすれば売れるか?」という工夫と発想を、つねに問い続ける習慣ができます。すると、残業とか、休日出勤とか、有休などはどうでもよく、自分が出すべき価値にフォーカスできるようになります。

月給の良いところは、日々の労働時間や生活のことを気にせず、じっくり仕事に取り組めることです。さらに年俸制なら、残業という概念からも解放されます。しかし反面、「しがみついていれば、とりあえず25日には給料が振り込まれる」という甘えにもつながりやすいのです。「時間でお金をもらう」という働き方からは1日も早く足を洗い、「自分が働いた成果でお金をもらう」という働き方にシフトしなければなりません。

(文:午堂 登紀雄(マネーガイド))

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