生徒にみだらな行為 中学教諭を懲戒免職県教委

 教え子の女子中学生にみだらな行為を繰り返したとして、県教育委員会は24日、県西地区の公立中学校の男性教諭(35)を懲戒免職処分とした。

 県教委によると、同教諭は昨年1月下旬から今年10月中旬までの間、校内や自家用車内、ラブホテルで女子生徒にみだらな行為を繰り返した。女子生徒は当初中学2年で、現在は県立高の1年。休みがちな点を心配した現在の担任が10月30日に声を掛けたところ、女子生徒が打ち明けて発覚した。処分を受けた教諭は「相談を受けるなど頼りにされているうちに好意を抱き、女性として意識するようになった」と説明。「取り返しのつかないことで反省している」とも話しているという。

 また県教委は24日、2015年4月と16年8月の2回にわたり自家用車で重傷人身事故を起こしたとして、相模原市にある県立高校の男性教諭(60)を減給1カ月の懲戒処分とした。◆全教職員に「緊急伝達」 女子生徒に対する教員のわいせつ事案が後を絶たないことを重くみて、県教育委員会は24日、県内の全教職員約5万人に不祥事根絶に向けたメッセージを発信した。6年ぶりの緊急事態と位置付け、各市町村教委と実効性の高い再発防止策を講じていく考えだ。

 「重大な犯罪行為で刑事告発も視野に県警と相談を進めていく」。懲戒処分を公表した記者会見で、県教委の幹部職員は苦渋の表情を浮かべた。公表されたわいせつ事案は2011年度の年間8件をピークに減少傾向が続いていたが、本年度は現時点で16年度の年間件数と同じ5件に達した。

 背景には無料通信アプリLINE(ライン)などが普及し、教職員と生徒とが容易に連絡を取り合える環境の広がりがあるとみられる。県教委は部活動の緊急連絡などで有効な面も認めつつ、不祥事防止には校長の許可を得るなどルールの厳守が欠かせないと強調。各市町村教委と連携して具体的な再発防止策の実践を重ねていくとしている。

 緊急メッセージでは「わいせつ事案など教え子を裏切る行為は、教師という職業に対する背信行為」と指摘。教員を志した理由を思い出し、子どもを育てる重責を担う職業への強い自覚と誇りを持つよう訴えた。

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