体験交え後輩にエール LINE元社長が母校で講演

 県立多摩高校(川崎市多摩区)の創立60周年記念式典が24日、同市川崎区の市教育文化会館で開かれ、同校卒業生で無料通信アプリ提供会社「LINE(ライン)」の元社長森川亮さん(50)が記念講演した。体験を交えながら「イノベーションを起こし日本を元気にしてほしい」と呼び掛けていた。

 現在は女性向け動画ファッションマガジンを運営する「C Channel(シーチャンネル)」社長の森川さんは、同校生徒800人を前に、会員制交流サイト(SNS)の歴史などを紹介。「変化の速い時代に生き残れるのは、変化に対応できる者。あしたから変わるのではなく、今変わらなければならない」と強調。「LINEでは定例会議は行わず、決めなければならないことが起きるとすぐに会議をした。そうしてLINEが生まれた」と説明した。

 さらに「若い皆さんの世代が社会課題を解決するため起業をしたり、仲間とイノベーションを起こしたりしてほしい」と期待した。

 式典では、福田敏人校長が「今後も神奈川の高校教育をリードするよう地域と一緒に取り組んでいきたい」とあいさつ。同校は1956年に開校し、これまで2万人超が卒業。卒業生に東京電力ホールディングスの小早川智明社長、横浜銀行の川村健一頭取、ジャズピアニストの国府弘子さん、市医師会の高橋章会長らがいる。

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