北メディア「トランプ、焼け死ぬ」と警告

北朝鮮の朝鮮中央通信は24日、トランプ米政権が「われわれに対する『核攻撃』説に信ぴょう性を付与する世論を流している」と非難する論評を配信した。

論評は、今年8月に核兵器を搭載できる米国のB52戦略爆撃機が、日本の航空自衛隊と共同訓練を実施したことが明らかになったことなどを取り上げて、「われわれとの核戦争のための実際の準備態勢を整えているという情報を流している」と指摘した。

つづけて、「トランプ一味のこのような動きは一言で言って、核戦争の威嚇でわれわれを圧迫して核戦力建設の最終完結段階措置を講じられないようにするということである」と述べた。

こうした動きに対して、「もし、米国が国家核戦力の完成を目指すわれわれの自衛的措置に言い掛かりをつけてあくまでも核戦争を強要しようとするなら、われわれは躊躇せず米国が対応できない核打撃で応え、米国という悪の帝国を地球上から永遠に一掃するであろう」と威嚇した。

さらに、「わが軍隊は、1968年の『プエブロ』号事件(注1)と1976年の板門店事件(注2)をはじめ、米国との相異なる形態の対決戦で核兵器なしにもヤンキーらに降伏書を書かせた英雄的軍隊である」と強調した。

その上で、「こんにち、わが国家は尊厳ある核強国、世界的な軍事大国であり、米国がわれわれを核で威嚇していた時代は永遠に過ぎ去った。トランプは、火を好む者は火に焼け死ぬという言葉を銘記する方がよかろう」と警告した。

(注1)プエブロ号事件とは、1968年1月23日に北朝鮮の元山港沖で米国の武装情報船プエブロ号が北朝鮮軍に拿捕された事件のこと。

(注2)1976年の板門店事件とは、非武装地帯内の共同警備区域内に植えられていたポプラ並木の剪定をめぐり、北朝鮮軍が米韓軍を襲撃した事件。ポプラ事件と言われている。北朝鮮軍の襲撃によって米軍兵士2名が殺害され、韓国軍兵士数名が負傷した。第2次朝鮮戦争の引き金になりかねない事件だったが、北朝鮮の金日成主席が「遺憾の意」を表して謝罪したことにより事態は収まった。

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