全国初、綾瀬市で実証実験 窓口に音声翻訳端末

 外国出身の市民への窓口サービス向上を目指し、綾瀬市は22日から、日本語、英語、ベトナム語で話し掛けると音声と文字表示で相互翻訳するタブレット端末を活用した実証実験を始めた。国などが開発中のシステムで、2019年3月31日まで本庁舎総合案内や子育て支援課など六つの窓口に端末を配置する。市によると窓口での実証実験は全国で初めて。

 実証実験は国立研究開発法人「情報通信研究機構」が凸版印刷に委託した事業。端末に向かって話すとあらかじめ設定された言語に翻訳される仕組みで、今後は中国、ポルトガル語にも対応する予定。在留カード、国民健康保険、子育て窓口といった窓口で使われる専門的な言葉に対応し、今後も行政用語や文書が追加登録される。端末6台は市が25万円で購入した。

 これまで市はベトナム、ポルトガル、スペイン語の3言語に関しては毎月1回、行政通訳を配置して対応していた。だが、通常は職員が身振り手振りを交えて意思疎通するのが主で、日本語を話せる外国出身の来庁者の知人と電話を介して対応するのが実情だった。市は端末を介し円滑な意思疎通を図ることで、外国出身の市民にとっても住みよい環境づくりを目指す第一歩としたい考えだ。

 市内には47カ国約3250人が生活し、外国人比率は約3・8%で、県内では愛川町に次いで高い。

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