地方議会に女性議員を増やそう 二宮町でイベント

 女性が抱える共通の課題を語り合いながら、国会や地方議会に女性議員を増やす必要性を考える「パリテ・カフェ」が23日、二宮町内で開かれた。二宮、中井町議会の女性議員3人がゲストとして参加。議員を志した理由から、議員活動と子育ての両立の大変さ、女性議員だからこその強み、選挙に必要な経費まで、自らの経験を率直に語った。

 パリテは、フランス語で「男女同数」や「性別均等」の意。パリテ・カフェは、上智大の三浦まり教授らが呼び掛け人となり、女性らの多様な声をより反映した政治の実現を目指して始まった取り組みだ。

 ゲスト参加したのは、定数14のうち5人が女性の二宮町議会から小笠原陶子さん(63)と露木佳代さん(41)、定数13のうち2人が女性の中井町議会から加藤久美さん(49)。

 議員活動と子育てとの両立について、加藤さんは「実の両親や夫の両親、周囲が理解してくれ、恵まれている」と説明、小笠原さんは「下の子には愛情を十分注いであげられなかったと今でも負い目を感じている」と吐露した。議員になって良かったと最近思えるようになったという露木さんも「『町の子どもたちのために』と活動しているのに、自分の子どもを見てあげられず、続けようか、辞めようかという葛藤が日々あった」と明かした。

 議会に女性議員がいる強みについて、加藤さんは特に教育分野を挙げ、「実際に子どもを育てているからこそ、何が大事で何が不必要かが分かる」と強調。女性議員を増やすために必要なこととして、「子どもより夫の理解が大切」(露木さん)、「『暮らしやすい町をどうつくるか』という議員の仕事を、もっとハードルを下げて伝えられたら」(加藤さん)、「男性であれ、女性であれ、市民自治を体現できる人がもっと政治参加することが重要で、導くのに女性の力が必要」(小笠原さん)と三者三様に挙げた。

 主催した「怒れる女子会」の太田啓子弁護士(41)は、社会進出における男女格差を示す「ジェンダーギャップ指数」で、日本は世界144カ国中114位と過去最低を更新したことなどを紹介。「日本は構造的に性差別社会。変える一つの要因として、いろいろなことを決める政治の場に多様な人がいるべきで、女性が鍵を握っている」と指摘した。

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