公共施設多目的化へ 横浜市、老朽化で再編整備方針

 横浜市は、老朽化が進む公共建築物の再編整備方針(素案)をまとめた。学校や市営住宅を建て替える際に、近隣の地区センターや集会所などの市民利用施設、地域ケアプラザや老人福祉センターなどの社会福祉施設との多目的化や複合化などを進める。地域課題の解決を目指しながら施設配置の最適化も図り、市民サービスの持続的な提供と財政の健全性の維持を両立したい考え。本年度内に方針決定する。

 市は公共施設の目標耐用年数を70年以上と定め、長寿命化を図っている。一方で築後60年の学校もあり、学校の総建て替え費は約1兆円に上る。市営住宅の建て替えも今後必要になるとされ、財政負担の軽減が課題となっている。

 素案によると、建て替え施設の決定とともに市教育委員会や財政局、区役所など関係部署が検討プロジェクトを立ち上げ、地域住民らと協議。建物の全体や一部を曜日や時間帯でさまざまな用途に活用できる多目的化や、周辺にある施設を建て替え施設に集約する複合化を検討する。

 まずは2020年に建て替えに着手する小学校3校について方法を模索する。担当者は「人口減少など社会構造が変わっていく中で、長期的なニーズに対応できる公共建築物に再生していきたい」と話している。

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