2017年冬ボーナス平均支給額ランキング

2017年冬ボーナス平均支給ランキングをみてみましょう。一言に平均といっても、大企業、中小企業、業種別に事情は変わっています。気になる賞与事情はどうなっているでしょうか?

2017年冬のボーナス、いくら?

会社員にとって、ボーナスは待望のもの。気になる2017年冬のボーナス事情が各所から発表されています。企業規模や業種によって変わってくるボーナス。また、業績とも大きく関わるといわれる賞与ですが、2017年冬はどのように予想されているのでしょうか?

大手企業 平均91万6396円で前年比1.19%減

原則として東証一部上場、従業員500人以上、主要21業種大手251社を調査対象とし、集計ができた74社の2017年冬ボーナスの妥結状況(加重平均)。増減率の△印はマイナスを示す。集計社数が2社に満たない場合など数字を伏せた業種があるが、平均には含まれる。2016年の妥結額は、2017年年末の集計企業の数値(同対象比較) (出典:日本経済団体連合会「2017年年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(加重平均)第1回集計」)

表は、東証一部上場、従業員500人以上、主要21業種大手251社を調査対象とし、集計ができた74社の2017年冬ボーナスの妥結状況(加重平均)です。全体の平均は、91万6396円で前年比1.19%減となりました。冬ボーナスは、2014年5.78%増、2015年3.13%増、2016年0.84%増と例年アップはしてきたものの、上昇率が下がってきていました。そして、2017年にきて減少に転じてしまいました。

この兆候は、2017年夏ボーナスの時に予想できてはいました。大企業は「夏冬型」としてボーナスが決まる例が多くなっています。同じ調査で、2017年夏ボーナスの妥結額(最終集計)は、全体で前年比2.98%減の87万8172円だったからです。

■トップは自動車97万1070円、食品が好調

業種別の金額を見ると、トップは自動車で97万1070円。前年比1.94%減となっています。続いて、食品が91万6256円で前年比4.40%増。昨年2016年の同調査では、食品は88万1552円で前年比8.91%増でした。食品が年々好調に上げてきているのがわかります。

前年より一番大きく下げたのは自動車ですが、続いて造船が1.6%減となっています。同調査では前年2016年も造船は一番大きく下げて、前年比3.85%減でした。造船は少し下がり傾向がでています。

東証一部上場企業、平均71万2898円、前年比0.1%減

東証第1部上場企業のうち2017年春季交渉時、もしくは同年夏季交渉時に、“夏冬型”年間協定により、すでに 2017年年末賞与・一時金を決定している企業205社の、2017年年末賞与・一時金の妥結水準を調査・集計したもの(単純平均)。前年比、製造は減、非製造は増 (出典:労務行政研究所「東証第1部上場企業の2017年年末賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査」)

違うデータでの大企業のボーナス事情をみてみましょう。上の表は東証第1部上場企業で「夏冬型」の年間協定ですでに決定している205社の2017年年末賞与・一時金の妥結水準を調査・集計したもの(単純平均)です。

全体の平均は71万2898円、対前年同期比で0.1%減と、こちらも減少となっています。製造業は同0.5%減、非製造業は同1.6%増。非製造が少し好調となっています。とはいっても、金額では製造74万1591円、非製造61万6444円と製造の方が高支給なのは変わりません。

前年比 建設7.1%アップ、繊維11.7%減

東証第1部上場企業のうち2017年春季交渉時、もしくは同年夏季交渉時に、“夏冬型”年間協定により、すでに 2017年年末賞与・一時金を決定している企業205社の、2017年年末賞与・一時金の妥結水準を業種別に調査・集計したもの(単純平均) (出典:労務行政研究所「東証第1部上場企業の2017年年末賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査」)※クリックで拡大

業種別でみると、やはり自動車の支給が高く、こちらの調査では101万円を超えています。前年比0.1%減と微減ではありますが、高支給をキープしています。前年と比べて大きく上げたのは、建設で7.1%増。人手不足などといわれている業界なので、ボーナスもあがっているのかもしれません。反対に大きく下げたのが繊維で11.7%減。金額も49万3011円と芳しくありません。また造船も9.3%減の64万4376円。いずれも製造業を下げている要因になっているようです。

中小企業も含めた2017年冬ボーナス、全平均75万2189円。前年比0.04%増

中小企業も含めた東京都内1,000の民間労働組合を対象にし、すでに妥結している286組合のボーナス平均妥結状況。業種別に妥結平均額順に並べたもの。ただし、件数1件などの少ない社数での比較には注意が必要 (出典:東京都産業労働局雇用就業部労働環境課「2017年年末一時金妥結状況(加重平均)平成29年11月9日現在・第1報」より筆者編集) ※クリックで拡大

表は、中小企業も含めた東京都内の民間労働組合の冬ボーナス妥結状況です。業種別に平均金額(左から3列目)の多い順に並べています。全体の平均は75万2189円で前年比0.04%増となりました。大企業の調査は下げていました。中小企業を含めると、少し良い状況のようです。中小企業が上げに転じてきたようです。

建設は今年も増、生活関連サービスは13%アップ

業種別にみると、妥結金額のトップは教育、学習支援でなんと124万6583円。例年、この教育、学習支援がトップとなっています。ここは7組合の平均なのですが、企業規模にも関わらず高額支給になっています。

前年との比較をみてみると、生活関連サービス・娯楽が13.11%増と大幅アップになっています。また、建設業は7.07%増。建設業は前年同調査でも15.2% 増でした。驚異的に伸びているのがわかります。特に、東京都の調査ですから、東京オリンピック関連で人員不足などが影響しているのかもしれません。

金額でみると、トップの教育・学習支援は124万円でしたが、一番低かったのは生活関連サービス・娯楽で38万6330円。2社の平均ということで、注意深く見る必要がありますが、それでも3倍以上の差があることは事実。今回は13.11%増と大幅アップでした。次回は更にアップされてくると、全体の底上げになることでしょう。

2017年冬のボーナス状況でした。ここ数年上がっていたのに、ここで下げに転じてしまいました。2017年、多くの企業は好業績をあげています。次のボーナスはこれらを受けて、上げに転じてほしいものです。

(文:福一 由紀)

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