ビジネスプラン競う 横浜国大と光陵高

 横浜国立大(横浜市保土ケ谷区)や教育連携する県立光陵高校(同)の学生・生徒が、独自のビジネスプランを競い合うコンテストの決勝大会が26日、同市中区で開かれた。予選を勝ち抜いた6チームが商機ありと見込んだ分野で、斬新なアイデアを提案。同大を卒業し、現在は企業経営の第一線で活躍する審査員が厳しくも温かい目で吟味した。

 同大の学生組織が企画し、今回で12回目。各チームは、収支を含めた事業手法や顧客ターゲット、競合との差別化などの要素をプレゼンテーションし、審査員の質疑に答えた。

 企画力や収益性を踏まえた持続可能性、プランへの熱意などを総合的に評価した結果、優勝は光陵高校2年生4人でつくるチーム「KST」。準優勝だった昨年の雪辱を果たした。

 下校後に落ち着いて学べる環境が乏しいとの問題意識に基づき、高校生をメインターゲットに自習と勉強会ができるスペース「TERAKOYA」を時間制で経営。登録制のウェブサービスで学習上の疑問などに大学生らが答えるサポートビジネスを組み合わせた。

 審査員は綿密な財務計画や、ニーズの高い横浜駅周辺で第1号店を展開するなどの具体性に加え、身ぶり手ぶりを交えた情熱的なプレゼンを高く評価。代表の石井達也さん(17)は「今年こそ優勝の気持ちでやってきた。うれしい」と大学生を抑えての勝利を喜んだ。

 準優勝は、メンタルヘルスの不調による離職を未然防止したい企業ニーズの拡大が見込まれるストレスチェック機器の製品化とデータ分析サービスを組み合わせた同大の理工、経営学部7人の混成チーム。ほかにも、メーキャップルームを併設した女性が入りやすい牛丼店や、草食系の恋愛を後押しするマッチングサービスなど、学生らしい視点での提案が目立った。

 審査員は「学生らしい生活感あふれるアイデアばかりで、クオリティーも高かった」と講評。経営学部の井上徹教授は「コンテストを通し、価値を創造する意識が学生に定着すれば」と願った。

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