巨大な「足」とお絵かき 小田原でワークショップ

 未確認生物「ビッグフット」、小田原に現る−。現代美術作家による子ども向けのワークショップが26日、小田原市内で開かれた。本来はビッグフットと一緒に足や手を使って絵を描くという趣旨だったが、あまりに異様な風貌に、子どもたちの多くは横目でその様子を見つつも決して近づかず、離れた場所でペンを持っていた。

 ワークショップは、子どもたちに現代アートに親しんでもらおうと、おだわら文化事業実行委員会が主催。銀座通り南街区を会場に開かれた「小田原まちなか軽トラ市」のイベントの一つとして、旧ガラス店の空きスペースを活用して行われた。

 現代美術作家で“飼い主”の千葉大二郎さん(25)によると、ビッグフットは未確認生物。身長170〜180センチで、黒い体に真っ白な体毛を生やしている。60センチほどの巨大な足の親指と人さし指の間に筆を挟み、誰も理解できない絵を描くのが特徴だ。

 空きスペースに登場したビッグフットは、赤や水色の絵の具を筆につけ、無言で絵を描き続けた。突如現れた謎の生物に、通りすがった子どもたちは凝視したり、固まったり。口を開かないビッグフットに熱心に話し掛ける男の子がいる一方、思わず後ずさりする女の子もいた。

 ビッグフットの足と“握手”した男子児童(7)は「最初は怖かったけど、一緒に絵を描いたら、仲良くなれた」と笑顔を見せた。

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