セ・リーグ2位阪神の外国人査定 メッセ、マテオ、ドリスは大成功も…

メッセンジャーのこれまでの成績一覧

マテオは最優秀中継ぎ、ドリスは最多セーブのタイトルを獲得

 阪神にとっては収穫と悔しさが同居するシーズンとなった。78勝61敗4分、17個の貯金を作った一方で、リーグ優勝を果たした広島とは10ゲームの大差をつけられてのセ・リーグ2位。さらに、クライマックスシリーズでは、あの“泥んこ試合”もあって3位のDeNAに敗戦を喫し、日本一への夢は絶たれた。

 今季はチーム防御率3.29をマークし、投手力で勝ち取ったリーグ2位だったと言えるだろう。12球団を見渡しても、チーム防御率3.29は、日本一に輝いたソフトバンクの3.22に次ぐ12球団で2位の好成績だった。その一方でチーム打率.2486はセ・リーグ4位。攻撃面での差が、広島との差に繋がった印象だ。

 助っ人も投手陣に関しては先発のメッセンジャー、セットアッパーのマテオ、クローザーのドリスと3投手が大車輪の活躍を見せた。マテオはチームメートの桑原謙太朗とともにセ・リーグ最優秀中継ぎ投手、ドリスは最多セーブのタイトルを獲得。一方の野手は三塁手として期待していたキャンベルは不振から抜け出せず、7月に緊急補強したロジャースも昇降格を繰り返し、結果を残せず。助っ人砲が外れに終わったことも痛かった。

 ここでは、その助っ人勢の今季の成績と働きを見てみよう。

◯ロマン・メンデス
8試合(0先発)0勝0敗1ホールド0セーブ 防御率6.52
9回2/3 12安打3四球1死球1本塁打9奪三振 WHIP1.55

 レッドソックスから今季阪神に加入した助っ人。だが、春キャンプ中に、昨季から在籍していたドリスの再契約が決まり、第4の外国人に。外国人枠の影響でなかなか1軍登板の機会に恵まれなかった。7月に故障離脱したマテオに代わって1軍に昇格したが、マテオの復帰で降格。その後離脱したメッセンジャーに代わって昇格したが、結果は奮わなかった。

◯マルコス・マテオ
63試合(0先発)7勝4敗36ホールド0セーブ 防御率2.75
59回 49安打17四球3死球2本塁打62奪三振 WHIP1.12

 カブスやダイヤモンドバックス、パドレスなどを経て2016年から阪神に。昨季はストッパーとして20セーブをマークしたが、今季はドリスと役割が逆転してセットアッパーに。150キロ超の真っ直ぐを武器とし、59イニングで17四球とコントロールに大きな不安はなし。36ホールドをマークして、桑原謙太朗とともに最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。

メッセは7年連続規定投球回&2年連続2桁勝利、野手のキャンベル&ロジャースは期待はずれに…

◯ランディ・メッセンジャー
22試合(22先発)11勝5敗 14QS 防御率2.39
143回 134安打44四球1死球5本塁打155奪三振 WHIP1.24

 2010年から阪神に在籍し、来日8年目となった右腕。3年連続開幕投手を務めるなど、今季もローテの中心として活躍した。8月10日の巨人戦で右足に打球を受け、右腓骨を骨折。10月10日の中日との今季最終戦で復帰し、7年連続で規定投球回到達。2年連続6度目の2桁勝利もあげ、名実ともに虎の助っ人史に名を残す存在。昨オフに2年契約を結んでおり、来季の残留も決まっている。

◯ルイス・メンドーサ
4試合(4先発)0勝2敗 0QS 防御率5.14
21回 90安打6四球1死球2本塁打15奪三振 WHIP1.33
 
 メッセンジャーの故障離脱などで先発が手薄になったため、日本ハムからのウエーバー公示中に、阪神へ加入。レンジャーズ、ロイヤルズから2014年に日本ハムに加入し、今季が来日4年目。9月3日の中日戦で移籍後初先発して敗戦投手に。阪神では4試合に先発したが、勝ち星は挙げられず。メッセンジャーが復帰したこともあり、クライマックスシリーズでの登板はなかった。

◯ラファエル・ドリス
63試合4勝4敗5ホールド37セーブ 防御率2.71
63回 53安打17四球1死球1本塁打85奪三振 WHIP1.11

 2016年から阪神に在籍しているドミニカン。昨季は主にセットアッパーとして34試合に登板。だが、右肘の故障のため、7月末に戦線を離脱し、10月に右肘の手術を受けた。そのため、一度は自由契約となったが、球団側は右肘の回復具合を常に調査し、春季キャンプでテストを行って合格した。今季は、マテオと役割を入れ替えクローザーとなり、37セーブをマーク。最多セーブのタイトルを獲得した。

◯エリック・キャンベル
21試合47打数9安打1本塁打5打点 打率.191
7四球 出塁率.296 得点圏打率.231 OPS.594

 メッツから今季阪神に加入した内野手。打線強化を期待されて加入したが、春季キャンプで左手首を負傷して離脱。4月下旬にようやく1軍昇格を果たしたものの、出場機会は限られていた。6月には25打席連続ノーヒットがあるなど結果を残せずに降格。さらにロジャースの加入もあって厳しい状況となり、シーズン終了を待たずに帰国した。

◯ジェイソン・ロジャース
40試合123打数31安打5本塁打23打点 打率.252
15四球 出塁率.329 得点圏打率.297 OPS.759

 キャンベルの不振により、7月に緊急補強でパイレーツから加入した。7月18日の広島戦でデビューすると、同21日には来日初本塁打を含む2打席連発と活躍した。だが、8月に入ると、バットは湿っていき、9月半ばに登録抹消。レギュラーシーズンが終了する前に米国へと帰国した。

(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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