2人のドラ1含む9選手に戦力外通告 5年連続Bクラスの中日の戦力整理

今シーズン限りで引退し、中日の2軍打撃コーチに就任する森野将彦【写真:荒川祐史】

今季は5位も借金20、セで最もAクラスから遠ざかっている球団

 2011年にリーグ優勝を果たして以降、リーグ優勝から遠ざかっている中日。昨季途中に就任した森繁和監督が引き続き指揮を執る中、今季も序盤から下位に低迷した。59勝79敗5分の借金20。4位の巨人にも12ゲームの大差がある5位に終わり、5年連続Bクラスに沈んだ。現在、セ・リーグ6球団で最もAクラスから遠ざかっているのが、この中日だ。

 チーム打率.247、チーム防御率4.05は揃ってリーグ5位。辛うじて最下位のヤクルトを上回ったが、上位にいる他球団に比べて戦力が劣るのは、紛れもない事実。抜本的なチーム改革が求められそうだ。

 Aクラスへの浮上を目指す来季に向けて、このオフは2014年ドラフト1位の野村亮介投手をはじめ、実に支配下9選手を戦力外通告に。長らくチームの中核にいた森野将彦内野手は現役を引退し、2軍打撃コーチに就任する。

 ここでは今季限りで引退、戦力外などで退団する選手のこれまでの実績を振り返ってみる。

◯森野将彦(引退、2軍打撃コーチ就任)
 プロ21年目。1801試合5707打数1581安打165本塁打782打点、打率.277。東海大相模高から1996年ドラフト2位で中日へ。ルーキーイヤーは13試合に出場したが、その後2年間は1軍出場なし。4年目の2000年から徐々に試合数を伸ばしていき、2007年には142試合に出場。2009年、2010年には全144試合に出場し、2010年には打率.327の好成績を残した。落合博満監督の下で黄金期の中日を支えた主力で2014年も141試合に出場したが、2015年の開幕直後に右手親指を骨折して以降、成績が低下。今季はファーム暮らしが長く、1軍では22試合出場止まり。今季限りで現役を引退し、2軍打撃コーチへの就任が決まった。

◯野村亮介(戦力外)
 プロ3年目。通算3試合登板、0勝0敗0ホールド0セーブ、防御率10.13。静清高、三菱日立パワーシステムズ横浜(2013年まで三菱重工横浜)を経て、落合博満GMの意向が強く働いた2014年ドラフト1位で中日に入団。1年目の2015年に3試合で中継ぎ登板したが、2回2/3で8安打6失点と結果を残せず。2年目の昨季、そして3年目の今季と1軍登板がなく、プロ入りわずか3年で戦力外となった。

2010年ドラ3武藤はDeNAが獲得、八木智哉は現役引退

◯武藤祐太(戦力外、DeNAが獲得)
 プロ7年目。125試合9勝6敗14ホールド0セーブ、防御率3.59。飯能南高からホンダを経て2010年ドラフト3位で中日入り。中継ぎとして1年目に7試合、2年目に33試合で投げると、3年目の2013年は防御率3.73と安定感には欠けたものの、自己最多となる58試合に登板。だが、2014年以降登板機会を減らして今季は1軍登板なし。戦力外通告を受けたが、DeNAが獲得を発表した。

◯八木智哉(戦力外、引退)
 プロ12年目。112試合39勝34敗0ホールド0セーブ、防御率3.69。日本航空高、創価大を経て2005年の大学生・社会人希望入団枠で日本ハムに入団。1年目の2006年にいきなり先発ローテに入ると、26試合に先発して2桁12勝を挙げて新人王に輝いた。2年目に左肩を痛めて成績を落としたが、2009年には9勝をマーク。2013年にトレード移籍したオリックスでは結果を残せずに2014年オフに戦力外となると、トライアウトを経て中日へ移籍した。移籍1年目の2015年に開幕ローテを掴んだが、4勝6敗。白星全てを広島から挙げ「鯉キラー」と呼ばれた。今季はわずか3試合登板に終わって戦力外通告を受け、現役引退を表明した。

◯岩崎達郎(戦力外)
 プロ11年目。379試合381打数75安打1本塁打33打点、打率.197。横浜商大高、新日本石油ENEOSを経て、2006年の大学生・社会人ドラフト5位で中日入り。2010年は控え選手として78試合に出場。2013年3月に楽天へトレード移籍し、同年は74試合に出場、プロ最多となる112打席に立った。2016年は1軍出場なしに終わり戦力外となると、中日の秋季キャンプで入団テストに合格。今季から育成選手として中日に復帰した。7月に支配下登録になったが、1軍出場はわずか1試合に終わり、戦力外となった。

◯古本武尊(戦力外)
 プロ5年目。通算16試合18打数3安打0本塁打0打点、打率.167。福岡大大濠高から龍谷大へ進み、2012年ドラフト3位で中日に入団。2014年に1軍で16試合に出場したが、プロ5年間で1軍での出場機会はこれだけ。長距離砲として期待されていたが、1軍での本塁打はないまま戦力外通告を受けた。

投手から野手転向の赤坂は戦力外、赤田は現役引退→球団スタッフに

◯赤坂和幸(戦力外)
 プロ10年目。通算43試合53打数14安打0本塁打8打点、打率.264。浦和学院高から2007年ドラフト1位で入団。投手としてプロ入りし、1年目の2008年に1試合のみだが1軍登板を果たした。だが、2010年に自由契約となり、育成契約を結ぶと野手へ転向。外野手として2015年は35試合、2016年は7試合に出場も、今季は1軍出場なし。オフに戦力外通告を受けた。投手としての通算成績は1試合登板、0勝0敗0ホールド0セーブ、防御率0.00。

◯金子丈(戦力外)
 プロ3年目。通算11試合登板、0勝0敗0ホールド0セーブ、防御率4.91。大阪学院大高、大阪商大を経て、2014年ドラフト9位で中日へ。入団1年目の2015年に中継ぎで10試合に登板したが、2016年は1試合、そして今季は1軍登板なしに終わり、戦力外通告となった。

◯岸本淳希(戦力外)
 プロ4年目。1軍登板なし。敦賀気比高から2013年の育成ドラフト1位で入団。1年目にウエスタン・リーグで21試合に投げ、防御率0.77をマーク。2016年オフにはU-23ワールドカップに侍ジャパンメンバーとして参加し、金メダル獲得に貢献した。帰国後に支配下契約となったが、今季も1軍出場なしに終わり、オフに戦力外通告となった。

◯赤田龍一郎(戦力外、引退し球団スタッフに)
 プロ8年目。プロ通算5試合8打数0安打0本塁打1打点、打率.000。静岡学園高から愛知大へ進み、2009年育成ドラフト2位で中日入り。4年目となった2013年に支配下契約となったが、2014年の2試合出場が最多で今季は1軍出場なし。戦力外通告を受けて現役引退。来季からは球団スタッフに転身する。

(Full-Count編集部)

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