三菱マテ子会社の品質データ書換え問題、三菱電線の不正発覚は今年2月 村田三菱電線社長「事実確認に時間」

 三菱マテリアル子会社における品質不正問題の会見で、公表のタイミングについて竹内章三菱マテリアル社長は「不適合品が出荷された可能性があるお客様のすべてが判明したタイミングが適切と判断した」と話し、「お客様と協力して早期に安全確認が必要と判断したため、今回公表した」と説明した。

 三菱電線は2月に、三菱伸銅は10月に社内調査で問題が発覚。三菱マテリアルにはそれぞれ10月25日、10月19日に報告があった。三菱マテリアルへの報告と不適合品の出荷停止に時間がかかったことについて三菱電線の村田博昭社長は「製品のアイテム数が多く、全容把握、分析に時間がかかってしまった。直ちに親会社に報告し、支援を求めるべきだったと反省している」と話した。

 問題が発生した原因の一つに企業風土があるのではないか、との指摘に対して竹内社長は「これまでも人材の流動性を高めるなど事業間の垣根をなくすための施策を進めてきたつもりだが、組織内で壁が高いところがあるということは認識している。今後も組織の風通しが良くなるように取り組む」と強調した。

 また、出荷先について三菱伸銅の堀和雅社長は「一部製品は日本を経由し、中国など海外で使われている可能性もある」と話し、三菱電線の村田社長も出荷先に中国や米国の顧客が含まれることを明らかにした。

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