【三菱マテ子会社の品質データ書換え問題】三菱電線のシール材、2割が不適合品の可能性 三菱伸銅は黄銅条などで

 三菱マテリアル子会社の三菱電線工業と三菱伸銅が品質データを書き換えて出荷したのは、それぞれ油や水などの漏れ止め用に使われるゴム素材「シール材」と、車載向け部品などに使われる黄銅・銅条製品。

 シール材は9月30日までの2年半に、箕島製作所(和歌山県)から出荷した約13億3千万個のうち、約20%に当たる約2億7千万個が不適合品の可能性がある。出荷先は229社に上る。航空・宇宙、各種産業機器、自動車などに使われており、防衛省の認定品も含まれていたという。

 黄銅・銅条製品は、三菱伸銅・若松製作所(福島県)で10月17日までの1年間に出荷した14万3千トンのうち、879トン(29社)が不適合品の可能性がある。重量比で9割以上が黄銅条で、主にユーザーが加工して部品として使われている。

 三菱電線は10月23日以降、三菱伸銅は10月下旬から出荷先への報告を進めるとともに、不適合品の出荷防止措置を講じた。これまでに三菱電線は40社、三菱伸銅は16社に説明を行った。

 一方、過去に品質データを書き換え、既にユーザーとの間で解決したとしている三菱アルミの事案について、三菱マテリアルは24日の会見で、不適合品を輸送・電気・建設分野の16社に出荷したことを明らかにした。売上高に占める比率は0・3%程度。

 三菱マテリアルは10月30日付で対策本部(本部長・小野直樹副社長)を設置。不適合品を特定するための事実確認、安全性検証、他製品の品質確認などを進める方針。

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