3選出馬表明の中村知事  県政課題に「責任」強調 県内政党幹部「施策進めている」「発想が行政マン」 評価と苦言

 長崎県知事選まで2カ月を切って、三たび挑む決意を明らかにした中村法道知事。人口減少など待ったなしの県政課題に直面する中で「責任」を強調した。県内の政党幹部からは「やるべきことを進めている」「成果が見えない」と中村県政への評価や苦言が聞かれた。

 「人口減少にブレーキをかけていく成果を、県民に還元する責任がある」。27日、会見に応じた中村知事は「3選」への決意を引き締まった表情でこう述べた。10月以降、多くの出馬要請を受けながら同日まで明言しなかったことについては、公務を優先し、衆院選への影響を考慮したと説明した。

 中村知事の評価を巡っては、県議会の各会派・政党で濃淡がある。2会派に割れた自民のうち、加藤寛治県連会長に近い会派「自民・県民会議」のある議員は「やるべき施策をしっかり進めている。人間的にも信用できる」と高く評価。一方、中村県政の検証を重視する会派「自民」の一人は「発想が行政マンの枠を超えていない」と手厳しい。

 特に人口減少や県民所得の低迷を注視する党も。公明党県本部の川崎祥司幹事長は「問題から逃げずに向き合っている」と一定評価。民進党県連の渡辺敏勝幹事長は「具体的な数値の成果が見当たらないが、堅実にやっている印象」と語り、前回に続き独自候補擁立は「それどころではない」という。

 対立候補擁立を目指す共産党県委員会の山下満昭委員長は、石木ダムや新幹線を引き合いに「無駄な大型事業に大金をつぎ込んで教育や福祉に目を向けていない」と批判した。

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