原の辻で国内初の腕輪出土

 県埋蔵文化財センターは27日、壱岐市の国指定特別史跡「原の辻遺跡」で2007年度に発掘した青銅製品が、紀元1世紀ごろ(弥生時代中期から古墳時代前期)のものとみられる銅釧(くしろ)(腕輪)の一部だと判明したと発表した。

 同センターによると、出土品は長さ約4センチ、幅約1センチ。中国の遼東郡と呼ばれていた地域のもので、13年に国の重要文化財に指定された。同地域の銅釧が国内で出土したのは初めて。

 出土品が、遼東郡の羊草荘漢墓で報告された67点の銅釧と形状やサイズがほぼ一致したことなどから遼東系の銅釧と判明した。

 今回の出土により、これまで中国系の文物は、楽浪郡と呼ばれていた地域を経由して日本に流入したと考えられてきたが、同種の銅釧は楽浪郡では出土しておらず、一支国(いきこく)(壱岐)と遼東郡との交流があったと想定でき、対外交流が活発だったことを物語るものとしている。

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