小中学校で柔道着などを無償貸与 海老名市教委が方針

 海老名市教育委員会は28日、保護者負担の軽減策として市立小中学校の授業で使用する彫刻刀と柔道着について、児童・生徒に無償貸与する方針を明らかにした。市教委によると県内では、柔道着の貸与は相模原市が実施、彫刻刀は初めてとみられる。海老名市は29日開会の市議会第4回定例会に事業費約545万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を提出。可決されれば、来年度から貸与をスタートする。

 市教委によると、柔道着は市立中学校全6校に対し、各校80着、計480着を用意。彫刻刀は市立小学校分(全13校、1211セット)と市立中学校分(300セット)の計1511セットを準備する計画。授業の状況を踏まえ、算出した。学校管理物品として各校で保管し、柔道着の洗濯代も公費負担する方針。

 市教委は7月、学用品購入に関する保護者負担のあり方などを探るため、PTA会長や保護者代表をメンバーに加えた保護者負担経費検討委員会を設置。柔道着や彫刻刀の購入を巡っては、同検討委での議論や保護者アンケートで「負担と感じている」「使用頻度が低いので学校で貸し出してほしい」といった意見が多く寄せられた。

 教育長は神奈川新聞の取材に対し、「日常的に使用する学用品は保護者負担が前提と考えるが、使用期間や頻度が少ないものについては引き続き、必要数を備品化する議論を学校や保護者を交えて進めていきたい」と話した。

© 株式会社神奈川新聞社