無縁墓地、300年超の歴史に幕 横須賀市、崖崩れの危険性指摘で

 横須賀市浦賀の無縁墓地内の納骨堂が28日、閉鎖された。付近の崖地が崩落する危険性が指摘されたためで、市営公園墓地(同市大矢部)に隣接する旧海軍弾薬庫内を新たな納骨堂とし、安置されてきた185柱の遺骨を合祀(ごうし)する。閉鎖に伴い、無縁墓地は300年を超える歴史に幕を閉じた。

 この日は、常勝寺(同市佐原)の椎名英昌住職が読経し、納骨堂を閉鎖。葬祭業者が一つ一つの骨つぼから丁寧に遺骨の一部を取り出し、合祀するために二つの骨つぼに移した。

 市生活福祉課によると、無縁墓地は1715年に始まったとされる。当時、浦賀にあった遊郭の遊女らが安置されたとする説もあるという。

 市は1963年度から本格的に管理を開始した。90年代前半からは、引き取り手がなく新たに安置される遺骨が増加。2005年度からはいっぱいになった遺骨の合祀が定期的に行われていた。

 今後、新たな引き取り手のない遺骨は同弾薬庫内に安置する。

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