被爆2世で改善勧告 国連人権理 2国が日本政府に

 全国被爆二世団体連絡協議会は28日、スイス・ジュネーブでの国連人権理事会でコスタリカとメキシコが被爆2世の健康問題に関して日本政府に改善を促す勧告をした、と発表した。被爆2世問題が同理事会で取り上げられるのは初めて。同協議会が「原爆放射線の遺伝的影響の危険にさらされ深刻な差別などに苦しんでいる」と国連側に訴えていた。

 同協議会によると、14日に日本の人権状況が審査され、コスタリカは被爆2世への被爆者援護法適用を、メキシコは東京電力福島第1原発事故の被害者も含めた医療保障をそれぞれ勧告した。審査は国連加盟国が行い、問題があれば改善するよう勧告する。勧告を受けた国は説明を求められるが、法的拘束力はない。

 28日に長崎市役所で会見した同協議会の崎山昇会長は「勧告した2国は核兵器禁止条約を推進しており、核被害への関心が高い。国際社会で被爆2世の問題が取り上げられたのは画期的」と強調。今後、勧告の受け入れを日本政府に求めていくという。

 このほか日本への勧告は死刑制度廃止など計218項目。政府は来年3月までに対応を報告する。被爆2世問題の勧告については「内容を精査し対応を考える」(外務省)としている。

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