ジェイテクト、リチウムイオンキャパシタ量産へ 世界最高の耐熱性実現

 ジェイテクトは、新規事業で取り組んでいるリチウムイオンキャパシタを2019年にも量産する方針だ。同キャパシタはジェイテクトが開発した独自技術により、世界で初めて85度まで耐熱性を高めたもので「自動車や鉄道車両、建設機械といった幅広い用途で関心が寄せられている」(安形哲夫社長)という。今後、生産ラインの立ち上げを検討していく。

 ジェイテクトでは、工作機械事業でリチウムイオンキャパシタを造る機械を製造してきたが、その中で同キャパシタの性能向上の知見を深め、高耐熱を実現する金属配合を開発。これまで他社が製造していたリチウムイオンキャパシタは耐熱温度が60度程度だったため冷却装置を導入する必要があり、エネルギーロスが生じていた。

 ジェイテクトが開発したキャパシタは耐熱温度を85度まで引き上げることに成功し、電圧を制限すれば105度まで対応可能という。リチウムイオンキャパシタはジェイテクトの主力事業である自動車部品のステアリングで補助電源にもなり、自動運転のニーズが高まる中でシナジー発揮にもつながる。

 ジェイテクトは2006年に光洋精工と豊田工機が統合し、ステアリング、軸受(ベアリング)、インホイールモーターなど駆動系部品、工作機械の4事業領域を手掛ける。リチウムイオンキャパシタも新領域の一つとして育てていく考えで、組織面では9月にはBR蓄電デバイス事業室(室長・西幸二氏)を開設している。

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