アロンソ、マクラーレン・ホンダF1での最後のテスト終える。115周を走行し「とてもポジティブな一日」

 マクラーレン・ホンダは、アブダビでのF1ピレリタイヤのテスト初日で2台を走らせ、フェルナンド・アロンソとオリバー・ターベイがステアリングを握った。

 2018年向けF1タイヤテストには全10チームが参加しているが、使用するマシンは1チーム1台となっている。しかしマクラーレンはブラジルGP後に行う予定だったタイヤテストを、治安悪化のためにキャンセルせざるを得なかったため、アブダビでの2日間は、例外的に2台で走行している。

 初日28日にはレースドライバーのアロンソとテスト&開発ドライバーのターベイがテストを担当した。

 アロンソは2017年と2018年のコンパウンドに関するデータ収集に取り掛かったが、午前セッション終盤に、ターン18から19でコースアウトし、バリアに接触、作業を中断しなければならなくなった。しかしチームがすばやい修理でアロンソをコースに復帰させたため、115周を走り切り、予定していたプログラムを完了することができた。アロンソは来年ピレリが新たに導入するハイパーソフトタイヤで1分39秒762のタイムを記録し、12人中6位となった。

「今日はとてもポジティブな一日だった。2018年タイヤについて理解を深めることは、僕らにとってとても有意義なことだ」とアロンソは走行終了後に語った。

「タイヤの感触はよかったよ。パフォーマンスが高く、デグラデーションは管理できるものだったから、全体的にいいフィーリングを持てた」

「午前中にウォールに軽く“キス”したため、走行時間を失った。でもメカニックたちが素晴らしい仕事をしてくれて、ランチ前にコースに復帰できるようにマシンを直してくれたので、プログラムすべてを終えることができた。

「僕の2017年シーズンはこれで完全に終わった。今日から、気持ちを100パーセント来年に向けて、準備に集中していく。テスト自体はあと1日残っている。ストフェル(・バンドーン)とランド(・ノリス)が生産的な一日を過ごしてくれることを願っている。自宅で結果をチェックしてから、すぐに2018年に向けてシート合わせの準備や開発作業をするため、ファクトリーに戻る。いろいろなことが始まっている。来年に関する僕らの方向性にはとても満足しているんだ」

 ターベイはブラジルで行うはずだった作業に取り組み、105周を走り、1分41秒914のタイムで12位となった。

「今回走ることは直前に決まったんだ。テストのためにアブダビに来ることになったのはうれしい驚きだったよ」とターベイ。

「一年を通してこのチームのために働いてきた。マクラーレンで働くのは今年で8年目だ。レースの週末にはファクトリーでエンジニアたちと一緒にシミュレーターを使ってマシン開発に取り組んでいる」

「MCL32で走り、ピレリのタイヤ開発作業をするチャンスをもらえて、とてもうれしかった。マシンの感触をしっかりつかむことができた。以前マクラーレンでこのコースを走った経験が、ロングランを行い、マシンのハンドリングに慣れ、リズムに見つけることにとても役立った。105周走れたというのはポジティブな結果だよ」

「去年までよりもダウンフォースが増した今年のマシンでは、ブレーキングがとても難しい。F1マシンで走るのが久しぶりだったから、首もきつかった。でもちゃんと準備はできていたと思う」

「前回走ったバーレーンの時と比べると、このマシンは間違いなく進歩したと思う。シーズンを通してシャシーの改善に努めてきた。今朝走り出した最初のラップでその進歩を感じることができたんだ。今日得た情報をシミュレーターに持ち帰り、来年型マシンの開発プログラムを継続し、正しい方向へと進むため、チームを助けることができるだろう」

 翌29日はレースドライバーのバンドーンと2018年のテスト&リザーブドライバーに就任したノリスが作業を引き継ぎ、アブダビテストを締めくくる。

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