〔白山〕未明から山頂付近で地震360回超も徐々に減少中(29日15時現在)

気象庁地震火山部は29日16:00、石川・岐阜県境の白山について「火山の状況に関する解説情報(臨時)第2号」をを発表しました。
白山では、29日03:00頃から山頂(御前峰)付近直下を震源とする火山性地震が増加していて、15:00までに361回を数えています。白山で1日あたりの地震回数が200回を超えたのは、2005年12月の観測開始以来初めてです。なお、09:00までの6時間に342回発生したものの、15:00までの6時間には19回と減少しています。また、低周波地震や火山性微動は発生していません。監視カメラによる観測では、山頂付近の状況は視界不良のため不明です。

白山ではこれまでにも、一時的な地震の増加が時折みられていることから、気象庁では、噴火予報【噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)】の予報事項に変更はないとしつつ、火山活動がやや高まっていることから、今後の火山活動の推移に注意するよう呼びかけています。

■火山性地震の発生回数(速報値)
・26日       2回
・27日      22回
・28日      12回
・29日
 00:00~03:00   0回
 03:00~06:00  301回 最大M2.8(05:06)
 06:00~09:00  41回
 09:00~12:00  12回
 12:00~15:00   7回

◆用語解説「噴火警戒レベル」
・火山活動の状況に応じて警戒が必要な範囲や、とるべき防災対応を5段階に区分して発表する指標で、避難や規制の対象地域は、地域の状況や火山活動状況により異なる。
【レベル1(活火山であることに留意)】:状況に応じて火口内への立入規制等。

◆白山:最近の火山活動の状況(気象庁)
※有史記録では平安時代中期~江戸時代初期にかけてたびたび噴火。直近の噴火記録は1659(万治2)年。

<2005年>
・2~10月、山頂直下で群発的な地震活動。10月3日13:59頃にはM4.5の最大地震。

<2011年>
・3月、東北地方太平洋沖地震(03/11)以降、山頂直下での微小地震活動が活発化。

<2014年>
・12/16 24時間に地震167回。最大規模M3.4。

<2015年>
・09/02 噴火警戒レベル導入【レベル1(活火山であることに留意)】

<2017年>
・03/17 山頂付近の深さ3~4km付近を震源とする振幅の小さな火山性地震が42回と一時的に増加。
・04/20 山頂付近の深さ3~4km付近を震源とする火山性地震が48回と一時的に増加。最大M2.2。
・07/13 08:27に山頂付近を震源とするM2.7の地震。
・10/10 22:03に山頂付近の深さ4km付近を震源とするM2.3の地震。11日05:00頃にかけて振幅の小さな地震が118回と増加するも、その後減少。

© 株式会社レスキューナウ