昭和電線ケーブルシステム、鉄道機器向け「耐雷システム」開発

 昭和電線ケーブルシステム(本社・東京都港区、社長・田中幹男氏)はこのほど鉄道総合技術研究所、西日本旅客鉄道と落雷による電位上昇からさまざまな機器を守るシステムで、能力を向上させた新タイプを共同開発したと発表した。

 接地システムと呼ばれるもので、エナメル線を複合撚りしたリッツ線を接地線として適用。雷撃時の電位上昇を従来のシステムから約5割低減することに成功した。鉄道用変電所の耐雷性強化などへの貢献を期待しており、昭和電線ケーブルシステムでは2018年度以降の事業化を目指している。

 リッツ線は表面積が非常に大きく、落雷で高周波の電流が流れても電圧が高まりにくいため、従来品よりも耐雷性が向上している。リッツ線の接続時には現場施工前に1カ所当たり30分以上のエナメル絶縁の除去作業が必要で、除去のためのスキルが必要なことも課題だった。

 昭和電線ケーブルシステムでは課題の解決に向け作業時間を3分の1以下に短縮し、接続に特殊なスキルがいらない接続用の端子と工法も併せて開発している。

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