プロフェッショナルの肖像「PRO-FILE」 小関裕太

小関裕太さん

 登場人物の全員が片思いをしている、青春恋愛ストーリー。少女漫画誌『花とゆめ』で連載中の『覆面系ノイズ』には、胸に秘めた想いを抱えながらも、音楽にのせてそれぞれの形で気持ちを届けようとする、高校生たちの切なくもピュアな物語が描かれている。原作の発行部数は、170万部を突破。ファン待望の映画化が遂に実現し、今月から公開される。

 ヒロインは、中条あやみが演じるニノ。彼女の初恋の相手であるモモを演じるのは、舞台や映画、ドラマなど、さまざまなフィールドで活躍中の若手俳優、小関裕太だ。

 「最初に原作を読んだとき、目の奥に深い闇が潜んでいるようなモモのイメージが、とても印象的だったんです。若く才能のある作曲家として充実しているはずなのに、なんでこんなにどこか悲しげなんだろう…と。漫画では、言葉で表現できないような独特な空気をまとっていて、そうしたモモの印象を丁寧にほぐしていきながら演技に挑みました」

 人気ロックバンド「MAN WITH A MISSION」が音楽監修を務めるなど、音楽面でも力を入れている本作。小関は初めて作品全体を見たときに、メロディも歌詞もキャッチーで、ストーリーに拍車をかけていく音楽の効果に、とにかく惹かれたという。

 「ニノがバンドで初めて歌う場面や、ギターとベースのセッションシーンには、鳥肌が立つほど興奮してしまいました。ぐわーっとテンションが上がり、それぞれの想いや関係が音楽によって濃密になっていくような感覚。力強くエモーショナルな曲調で、伝えられない想いを抱えるそれぞれの登場人物たちのストーリーが際立って見えてくる。音楽が、映画全体のムードをつくっていたように思います」

 小関は、音楽好きで楽器経験も豊富だという。そんな彼が弾くベースの演奏シーンも、本作の見どころのひとつだ。フレッシュな恋愛ストーリーと臨場感たっぷりの音楽シーンを、ぜひ劇場で体感してほしい。

こせき ゆうた

1995年6月8日、東京生まれ。NHK「天才てれびくん MAX」(2006〜08)で、てれび戦士としてキャリアをスタート。舞台「ミュージカル・テニスの王子様」(2011〜12)の出演を機に注目を集め、舞台のみならず、映画やドラマなど活動の場を広げている

ⓒ2017「覆面系ノイズ」製作委員会

覆面系ノイズ

 11月25日(土)より全国ロードショー 監督:三木康一郎 出演:中条あやみ/志尊淳/小関裕太/真野恵里菜/磯村勇斗/杉野遥亮ほか 原作:福山リョウコ「覆面系ノイズ」(白泉社「花とゆめ」連載) 配給:松竹

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