今年、木彫作家が対象の平櫛田中(ひらくし・でんちゅう)賞を受賞した彫刻家、安藤栄作(56)の個展が東京・銀座のギャラリーで開かれている。
神社で見かける狛犬をモチーフにした今回の個展「狛(こま)なかま」では、クスノキを素材にした70センチ以下の小さな作品を中心に展示。どれも荒々しく削られデフォルメされている。下あごが大きな狛犬がいたり、「狛うさぎ」や「狛ワニ」も登場。ユーモラスな姿に笑いが出てしまう。「よっしゃマン」など、タイトルも変だ。
安藤は東京都墨田区に生まれ、東京芸大で彫刻を学んだ。平成19年から福島県いわき市の海沿いに暮らしていたが、東日本大震災の津波で自宅兼アトリエが流されてしまった。以後、奈良県に拠点を移し活動している。