酔客落とさぬ垂直ベンチ 小田急、12駅で設置

 今日から師走。1年で最も酔客が増える忘年会シーズンを迎えた。小田急電鉄は酔客転落対策で本年度から駅のベンチの向きを90度回転させて設置する取り組みを進めている。

 従来は電車と向かい合うように平行にベンチを設置していたが、酔客が電車の到着で立ち上がり、電車に向かってまっすぐ歩き出し、そのまま線路に転落してしまうケースが多かった。電車に対して垂直になるように設置することで、転落を防ぐ効果が期待されるという。

 こうした取り組みはJR西日本発祥といわれ、最近は関東の駅にも広がり始めた。小田急電鉄は老朽化したベンチを交換する際に設置方向を変更。すでに本厚木、愛甲石田、座間、渋沢など12駅で新型のベンチを一部導入した。今後も広げていく方針だが、ホームの幅が狭かったり、乗降客の動線が確保できなかったりで設置できない場合もあるという。

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