LCAC再び夜間航行へ

 九州防衛局の三貝哲局長は30日、西海市役所を訪ね、米海軍が同市横瀬駐機場に配備しているエアクッション型揚陸艇(LCAC)の夜間航行訓練を12月4~6日に再び実施するとの通告を杉澤泰彦市長に伝えた。

 杉澤市長は、市と同防衛局が結ぶ「夜間、早朝に航行しないよう米軍と調整する」との協定に基づき、訓練を実施しないよう改めて防衛局に求めたという。

 防衛局が市に伝えた内容によると、LCACの訓練計画は、前回11月7~9日に実施された内容とほぼ同じ。日没前に駐機場を出て佐世保港沖で航行訓練を実施し、日没後の午後6時半までに駐機場に戻るとしている。LCACの数は前回の「2~3機」から「3~4機」に増えている。

 米海軍佐世保基地は長崎新聞の取材に「地元の懸念の声に留意する」としながらも「LCACの操縦士は昼夜行われる作戦行動で、安全に効果的に運用ができるように夜間訓練を行う必要がある」と答えた。

 夜間訓練の計画を受けて、LCAC施設周辺地域の行政区長や漁業関係者らでつくる市基地対策協議会の緊急会合が開かれた。11月22日に杉澤市長と平野直幸議長らが防衛省と外務省に直接、夜間航行の禁止を要請したことに関し、委員からは「要請は効果がなかったのではないか」「米軍は西海市の要請や抗議をまったく意に介していない」などの意見が上がった。

 杉澤市長は取材に「自治体としてやれることをやっている。国レベルでしっかり夜間航行禁止を要請してもらいたい」、平野議長は「私たちの気持ちを理解しないで、米軍の都合だけでことが運ばれるのはとてもむなしい」と話した。

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