【メタル便九州が快走】月間扱い5000トン、顧客330社突破 深田社長「ベストな運送を提案」

 平ボディのトラックで〝長尺物、異形貨物の混載便〟を配送する「メタル便」が快走を続けている。九州地区を担当している深田運送(本社・福岡県糟屋郡新宮町、社長・深田恭兵氏)によると、メタル便福岡(現九州)が発足し、福岡県内限定で集配業務を開始してから来年1月で、丸3年になる。深刻なドライバー不足と運賃費高騰を背景に、ここへきて活用する企業が急速に増えており、数量は月間5千トン、件数は同1千件を超え、顧客数は330社を突破した。深田社長は「集荷・配送エリアを拡大中で、だいぶ認知されてきました。自社車両を増車し、熊本県内にスルー倉庫の建設を計画中です。お困りのお客様の立場に立って、ベストな運送を提案していきたい」と話している。

 メタル便は、小ロッドの鋼材を効率的に安く運ぶために、関東の浦安鉄鋼団地でスタートしたのが原点。現在は全国9拠点(関東、関西、中部、北海道、静岡、九州、中国四国、北陸、新潟)でネットワークを構築。パイプ一本から対応するきめ細かいサービスが受けて急速にシェアを広げている。ユーザーは、納期や配送エリアを気にすることなく販売できるメリットがある。

 同社がメタル便福岡を立ち上げ、福岡県内限定で集配業務を開始したのは2015年1月。順次、佐賀・長崎、大分・熊本へと配送エリアを拡大。昨年は鹿児島、山口、広島・岡山へも広げ、7月からは関東便の運行を開始。11月には関西便の運行を開始する一方、関西発九州向けをメタル便関西との連携で運行を開始した。

 今年2月には、九州で唯一残っていた宮崎県への配送・出荷業務を開始。7月には混載可能重量を最高2千キロから2500キロに引き上げた。また11月には重量・面積を細分化する一方、最大20%の値下げに踏み切った。また今月からは、関西便を週3便から同4便に増便し、関東便も増便する。

 利用が最も多いコースは、福岡県内の配送で全体の35%を占める。福岡~関西便が約20%で続く。以下、福岡~熊本、福岡~鹿児島、福岡~大分の順。ユーザーは鉄鋼2次加工メーカー、流通加工業者、機械加工メーカーと多岐にわたっている。扱い品種も丸鋼、鋼管、角パイプ、鋼板をはじめとした鋼材・金属製品、建材、自動車部品、各種機械設備と幅広い。

 深田運送の創業は1937年で、4月に創業80周年の節目を迎えた老舗。福岡県の東区箱崎、中央区那の津、南区高木にそれぞれ拠点を構え、埼玉県にも出先を持つ。従業員116人で売上高は16億円。現在の各種トラック保有台数は約100台。メタル便九州に対する問い合わせは、同社のメタル便事業部(092―941―5700)まで。

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