自然生かした子育て考える 国見でシンポジウム

 雲仙市の国見町文化会館でこのほど、「豊かな自然を活(い)かした子育てシンポジウム」があり、保育関係者や親子連れら約100人が幼児教育などについて学んだ。

 県と市、NPO法人子育てネットやまぼうしの会(同町・桑田久美子理事長)でつくる実行委が、子育て世代の移住促進事業として初めて開催。同会は人と自然とのつながりを生かしたスウェーデン発祥の環境教育「ムッレ教育」に取り組んでいる。

 大阪大谷大の井上美智子教授が「自然の中の保育」をテーマに講演。「幼児期に草木や生き物に触れることで豊かな人間性を育み、科学的な好奇心もくすぐる」と、自然教育の大切さを指摘。一方で、森林減少などにより、自然体験の機会が減りつつあるとして「子どもの教育を考えることは私たちがどんな社会をつくっていくのかが問われている」と結んだ。

 シンポジウムでは井上教授や桑田理事長らによる公開座談会などもあり、参加者は熱心にメモを取るなどして耳を傾けた。

自然体験を通じた子育てを考えたシンポジウム=雲仙市、国見町文化会館

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