障害者の就労継続支援 手延べうどん「ばらもん亭」開業 五島のNPO法人

 五島市籠淵町のNPO法人、五島あすなろ会(土岐寛志理事長)は1日、新たな就労継続支援B型事業所「大志」を設立し、事業の柱となる五島手延べうどんの飲食店「ばらもん亭」を同町でオープン。障害者がやりがいや責任感を持って働ける環境をつくり、経済的自立を促すことなどが目的で、土岐理事長は「名前の通り元気に天高く、大きな志や目標に向かえる場にしたい」と語る。

 五島あすなろ会は、就労継続支援B型事業所「五島あすなろ作業所」も運営。知的、精神、身体などの障害がある20~60代の利用者20人が、手延べうどんの乾麺や市指定ごみ袋の製造などに励む。成果を市民らに示し、社会と積極的に関われる新規事業を検討。4月施行の国境離島新法に伴う補助金を活用し、利用者が作るうどんの飲食店の開業に踏み切った。

 店は、客がかけうどんや地獄炊きなどの商品を注文し、陳列棚から揚げ物やおにぎりなど好みの一品料理を取ってもらうスタイル。冷凍生麺を使ったもちもちした食感が特徴。テーブル席と座敷で計35人ほど収容可能で、持ち帰り商品としてうどんの乾麺や「五島手延スパゲッティ」なども店内で販売する。

 同作業所と連動しながら従業員の障害者や商品の数も徐々に増やしてステップアップしていく方針。大志の利用者で接客などに当たる山田匠太朗さん(20)は「大変だろうけど楽しみ。お客さんにおいしいと言ってもらえるように明るく働きたい」と意気込む。

 ばらもん亭の営業時間は午前11時~午後7時。木曜定休。

五島手延べうどんの飲食店としてオープンする「ばらもん亭」=五島市籠淵町

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