老人クラブ研修補助 廃止 長崎県、高齢者施策を見直し

 県は1974年度から40年以上にわたり続いてきた老人クラブの研修旅行に県費から補助金を出す事業を本年度で廃止する方針を決めた。昨年度までの5カ年でみると808クラブに宿泊代など計約3200万円を支出していた。県長寿社会課は廃止理由を「本年度に高齢者施策全体の見直しを行い、限られた財源で選択と集中を図った結果、今後の施策の方向性から遠い」としている。

 同課によると、研修旅行への補助は老人クラブ活動の活性化や県内経済の活性化が狙いという。クラブから申請があり、県の審査を通ると県内での研修旅行に対し、1クラブ当たり原則4万円を補助。離島から本土などの旅行のケースは6万円を出してきた。使途は宿泊費や交通費、博物館の入館料などが対象という。

 研修旅行の内容は他の老人クラブとの交流のほか、史跡・名勝地巡りや工場見学などの例があるという。同課は「高齢者の生きがいを高めることに寄与するなど一定の効果があった」と主張している。

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