片木アルミニューム製作所、本社工場の4段冷圧機更新 省エネ化、生産性2割向上

 アルミニウム圧延メーカーの片木アルミニューム製作所(本社・大阪府泉南市、社長・片木威氏)はこのほど、本社工場の4段冷間圧延機を更新した。圧延機の電動機を交流機に切り替えることで省エネルギー化および生産の効率化を図り、生産効率が約20%向上した。「同時に、入り側送り装置および巻取り(ベルトラッパー)を自動化し作業員の安全性にも配慮した電動機と制御盤の更新で故障も減少する見込み」(片木社長)。投資額は約5千万円。

 設備投資案件では省エネルギーを目的に、大山工場(鳥取県西伯郡大山町)の全照明をLED化した。国の「エネルギー使用合理化等事業者支援事業」も活用し、投資額は約900万円。

 同社は本社工場で純アルミのコイル・角板・丸板を、大山工場では純アルミのコイル・角板を主力にAl―Mn系合金・Al―Zn系合金7000系・Al―Si―Mg系合金6000系を生産。両工場の年産量は約1万トン。大山工場には国内唯一の水平ロール方式連続鋳造機を置き、薄さ70ミクロンの薄板が製造可能。

 今後の設備投資案件では、2~3年以内をめどに本社工場6段冷間圧延機の交流化(投資額約1億5千万円)、18年早々の大山工場1号連鋳機・減速機改修(同1500万円)を予定している。

 「アルミニウム製品の需要動向は比較的堅調だ。今期(18年6月期)は売上増を予想。ただ、材料費が高騰しているため収益増とはならない見込み。アルミ表面の傷など、ますます高くなる需要家の品質要求にも対応していかなければならない」(同)。

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