初の3者合同訓練消防、警察バス会社

 ラグビーの2019年ワールドカップや20年東京五輪・パラリンピックを控え、相模原市南消防署と相模原南署、神奈川中央交通の3者が1日、同市中央区弥栄の広場で、初のテロ対策合同訓練を行った。

 バス車内に毒ガスがまかれた事態を想定。同社の伊藤和正指導班長運転士が、車内後部で乗客が倒れていることに気付いてバスを停車させ、車体前面の行き先表示板に「緊急事態発生」の文字を点灯させた。前後の入り口を開けて、歩ける人を降ろした伊藤運転士は携帯電話で110番通報。

 パトカーが到着し、乗客の集団から1人別の方向に離れていく男に警察官が近づいて事情聴取し、突然逃げようとした男を警察官2人が取り押さえた。

 続いて実施した救助訓練では、南消防署員と県警NBCテロ対応専門部隊の隊員計7人ほどが、特殊な防護服に身を包んでバスに乗り込み、被害者に見立てた人形4体を車外に救出。測定器で毒ガスがシアン化水素(青酸カリ)であることを割り出した。救急隊による応急手当ても行われた。

 消防、警察、バス会社の3者がそれぞれの情報を寄せ合い、被害者がどこの病院に運ばれたのかなどの情報を共有し、合同訓練の成果を確認した。

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