「夢みたい」「こんな日が来るとは」−。サッカーＪ１リーグ・川崎フロンターレが悲願の初優勝を決めた瞬間、等々力陸上競技場（川崎市中原区）は、スタンドを水色で埋め尽くしたサポーターの歓喜に包まれた。チームの旗やタオルを翻し、クラブ２１季目での初の頂点に涙ぐむ姿もあった。
２万６千人に迫った入場者の９割以上がフロンターレのサポーターだった。これまで何度も決勝で悔しい思いをしてきたが、２位で迎えた２日のホームゲームは５得点で快勝。応援の歌や声援は試合終了後も途切れず、引き分けた鹿島アントラーズの結果が電光掲示板に表示されると、ひときわ大きな歓声が上がった。
「攻撃的なサッカーがフロンターレの魅力。優勝は鹿島の結果次第だったが、それでも前へ前へと進むのがフロンターレだ」と、多摩区の福田達郎さん（３３）。自前の応援旗を振り続けた中原区の本城浩さん（５６）は「言葉が思い浮かばないほどうれしい。ずっとシルバーコレクター（２位）だったので、夢のよう」と涙が止まらなかった。
６年連続でＪリーグの地域貢献クラブ１位となったチームだけに、ファンを続けてきたという宮前区の伊藤博志さん（６９）は「勝てないチームと思っていたが、本当によかった。一生ファンを続ける。来年もまた優勝を」と笑顔を見せた。◆１０日に記念パレード 川崎市は２日、川崎フロンターレの優勝記念パレードを１０日に行うと発表した。
福田紀彦市長への優勝報告後、午前１１時半ごろ市役所第３庁舎前を出発。川崎駅前まで３０分かけて行う。雨天決行。
福田市長は「川崎１５０万市民の誇り。これからも夢と希望を与え、川崎市を盛り上げてほしい」などとするコメントを出した。
