流行語大賞

 だって男子はこんなにたくさんいるんだもん…♪「35億」。自称・キャリアウーマンのふてぶてしくもポジティブな恋愛観と大風呂敷の決めぜりふ。グローバル、ボーダーレスの時代、そうか、出会いの可能性だって世界中に…などと大まじめな感想は不要だろうが▲2017年も残りわずか。県内も風や空気が急に冷たくなって、一昨日は恒例の「新語・流行語大賞」が発表された▲「睡眠負債」-積み重ねた睡眠不足が健康のバランスシートを損ねていく。せめて月末の金曜日だけでも早じまい-の「プレミアムフライデー」は定着への道半ば▲「Jアラート」の日常化や「フェイクニュース」の横行は御免こうむりたい。将棋界のレジェンド「ひふみん」は戦いの盤上を去っても、相変わらず引っ張りだこの人気者▲10月の総選挙で期数を一つ増やし、汚名返上を期しているはずだ。不祥事が続いた自民党の2012年初当選組「魔の2回生」。小池ブームの失速で「○○ファースト」はいくらか色あせ加減。これも流行語の宿命か▲大賞は「インスタ映え」と「忖度(そんたく)」。楽しそうでしょキレイでしょ、と写真の見栄えを熱心に追求する人々がいて、見た目の不自然さもなりふりも二の次で、エラい人の意向を先回りする人々がいて。両者の好対照が興味深い。(智)

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