5年連続Bクラス中日の外国人査定 退団ゲレーロは35発も…得点圏打率.258

中日から退団したアレックス・ゲレーロ【写真:荒川祐史】

5年連続Bクラスはセパ両リーグで中日だけ

 屈辱のシーズンが今年も続いてしまった。59勝79敗5分、借金20。セ・リーグ5位に終わった中日の成績である。驚愕の借金51を数えたヤクルトが6位に沈んだため、2年連続最下位こそ免れたが、5年連続Bクラス。森繁和監督が正式に新監督に就任して臨んだシーズンだったが、浮上を果たすことは出来なかった。

 2012年まで11年連続Aクラスだったが、そこから一転して5年連続のBクラス。5年間Aクラスがなく、クライマックスシリーズ進出を果たしていない球団は、セ・リーグだけでなく、パ・リーグを含めても中日だけしかいない。中日が立たされている現状は厳しいと言わざるを得ないだろう。

 チーム打率.247、チーム防御率4.05はともにリーグ5位だった中日。ルーキーの京田陽太内野手が遊撃手のレギュラーに定着して新人王を獲得し、終盤の離脱こそあったが大島洋平外野手は打率.313でリーグ3位に入った。助っ人に目を移すと、新助っ人のアレックス・ゲレーロ内野手が35本塁打で本塁打王を獲得した。その一方で、もう1人の主軸として期待されたダヤン・ビシエド内野手は米国市民権取得手続きの影響で約1か月離脱し、8月には右腕尺骨を骨折。87試合、打率.250という不本意な成績で終わった。

 満足いく成績を残せなかったのは、助っ人投手陣も同様である。先発のバルデス、先発中継ぎ両面で投げたジョーダンと6勝に終わり、アラウホ、ロンドンの2人はシーズンのほとんどを2軍で暮らした。そこで、ここでは今季の中日の助っ人勢の成績と働きを振り返ってみよう。

アラウホ、ロンドンはシーズンのほとんどでファーム暮らし

○ラウル・バルデス
23試合(23先発)6勝9敗 14QS 防御率3.76
146回 139安打47四球7死球13本塁打83奪三振 WHIP1.27

 ヤンキスやフィリーズ、アストロズなどを経て、2015年に中日入りした左腕。今季で入団3年目となった今年40歳を迎えたベテランだ。早いテンポで次々とボールを投げ込み、登板間隔も中5日だけでなく、中4日での先発も厭わない鉄腕であった。今季は23試合に先発し、14試合でクオリティースタートを達成したが、味方の援護が少なかったこともあって昨季と同じ6勝に終わった。シーズン中にドミニカに帰国した。

○エルビス・アラウホ
6試合(0先発)1勝0敗0ホールド0セーブ 防御率6.48
8回1/3 9安打3四球2死球1本塁打6奪三振 WHIP1.44

 フィリーズ、マーリンズなどを経て今季から中日へ加入。2015年にメジャー40試合、2016年にも32試合に登板した実績があり、推定年俸8000万円での加入だったが、期待には応えられなかった。1軍でわずか6試合登板、防御率6点台に終わる。ウエスタンリーグで23試合27回1/3に登板して20四球と制球がやや不安定だった。

○ホルヘ・ロンドン
4試合(0先発)0勝0敗0ホールド0セーブ 防御率5.79
4回2/3 7安打2四球2死球0本塁打4奪三振 WHIP1.93

 カージナルス、ロッキーズ、オリオールズ、パイレーツなどを経て、今季から中日へ。最速160キロに迫るストレートが武器だったが、1軍では4試合に投げて防御率5.79と奮わず。シーズンの多くで、1軍の外国人枠がバルデス、ジョーダン、ビシエド、ゲレーロで埋まっていたこともあり、ファーム暮らしが続いた。

○ジョーダン・ノルベルト
18試合(11先発)6勝4敗0ホールド0セーブ 7QS 防御率2.30
74回1/3 52安打35四球6死球2本塁打66奪三振 WHIP1.17

 アスレチックスやレイズ傘下を経て、2016年から中日へ。1年目の昨季は22試合に登板して6勝6敗。左肩痛での抹消期間もあったが、今季は18試合に登板し、11試合が先発、7試合が中継ぎと役割が変わりながらのシーズンを送った。先発した11試合でクオリティースタートが7試合、防御率2.30、WHIPは1.17と残した数字はまずまずであった。

ゲレーロは交渉で隔たりがあり退団が決定

○アレックス・ゲレーロ
130試合469打数131安打35本塁打86打点 打率.279
24四球98三振 出塁率.333 得点圏打率.258 OPS.896

 ドジャースから今季中日へ。開幕直後は不振に喘いだものの、5月から6月にかけて6試合連続本塁打を放つなど、その力を発揮し、35本塁打を放って本塁打王を獲得した。ただ、35本中22本がソロ本塁打で“ソローロ”と呼ばれたほど。ゲレーロの前に走者を溜められなかったという側面もあるだろうが、35本塁打ながら86打点、得点圏打率.258はやはり物足りない。中日は年俸3億円前後で残留オファーを出したが、ゲレーロ側が3年総額15億円とも言われる要求を出したと報じられており、2日に退団が発表された。

○ダヤン・ビシエド
87試合332打数83安打18本塁打49打点 打率.250
29四球52三振 出塁率.319 得点圏打率.196 OPS.771

 2008年にキューバから米国へと亡命。MLB通算66本塁打の実績を誇り、ホワイトソックスから2016年に中日入り。1年目は119試合で22本塁打、打率.274を記録。今季はシーズン中に米国市民権取得のために一時渡米。1週間程度で再来日する予定だったが、トランプ大統領就任による“トランプ余波”で手続きが難航したとされている。離脱は約1か月となり、チームを騒がせた。復帰後の8月に右腕の尺骨を骨折して離脱となり、そのままシーズンを終えた。

(Full-Count編集部)

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