今年9月に92歳で亡くなった被爆者で元長崎大学長の土山秀夫さんをしのぶ会が2日、長崎市内であり、出席者は長崎の核兵器廃絶運動の理論的支柱だった故人の功績をたたえ、平和への誓いを新たにした。
土山さんが初代委員長を務めた非政府組織(NGO)核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委(朝長万左男委員長)の主催。親交のあった被爆者団体や大学などの関係者約70人が出席した。
土山さんは「核廃絶は感性と理性の両方が必要」と訴え、長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA)の設置などに尽力。田上富久長崎市長は「常に先の時代を見据え、仕組みをつくってくれた」と述べた。土山さんの長男、眞一さん(64)は「父からは何でも情熱を持って取り組むよう教えられた」と振り返った。
出席者は一人一人、土山さんとの思い出を紹介。被爆者の下平作江さん(82)は「土山先生が残した足跡を踏み締め、私たちは平和への道を歩んでいこう」と呼び掛けた。