往年のF1マシン、ターボエンジンがもてぎで快音響かす/ホンダサンクスデー

 12月3日、栃木県芳賀郡のツインリンクもてぎで開催された『Honda Racing THANKS DAY 2017』で、往年のF1マシンをストフェル・バンドーンとジェンソン・バトンがドライブする『Honda Collection Hall デモンストレーション・ラン』が行われた。

 このデモンストレーションランに登場したF1マシンはマクラーレン・ホンダのMP4/4とMP4/6の2台。ホンダのV6ターボエンジン『RA168E』を搭載したMP4/4は、1988年にアイルトン・セナとアラン・プロストがステアリングを握り、シーズン全16戦中15勝を挙げて他を圧倒した名車だ。ちなみにこの年がF1ターボエンジン最後の年だった。

1991年のF1マシン、MP4/6はバトンがドライブ

 MP4/6は1991年に活躍したマシンで、当時のドライバーはセナ、そしてゲルハルト・ベルガー。V12エンジン『RA121E』を搭載したMP4/6は、セナの3度目かつ最後のチャンピオン獲得マシンとなった。

 1988年、1991年に活躍したこのF1マシンが、ツインリンクもてぎに姿を現した。MP4/4のステアリングを握ったのはマクラーレン・ホンダF1のストフェル・バンドーン、そしてMP4/6をドライブしたのはマクラーレン・ホンダF1でアンバサダー兼リザーブを務めたジェンソン・バトンだ。

 2台が走行を始めると、MP4/4のターボエンジンならでは低いエキゾーストノートが響き渡る。そのMP4/4をドライブしたバンドーンは走行後、1988年に活躍したF1マシンについてこう語った。

1992年生まれのバンドーンにとって、MP4/4は自分が生まれる前に活躍したF1マシンだ

「ボクにとって、歴代のマシンのなかで一番好きで憧れていたマシンをドライブできて、ファンのみんなに走行を見せることができて夢のよう。すばらしいドライビングフィーリングだったよ」

バトンはF1マシンに別れを告げ、2018年はスーパーGTのステアリングを握る

 また、MP4/6をドライブしたバトンは「ボクにとっては青春時代の大好きなF1マシンそのもの。今も全然色あせないドライビングフィーリングだね」とヤングドライバー時代に思いをはせた。

 バトンは、この日行われたF1トークショーのなかで新たな挑戦を発表した。2018年シーズンのスーパーGTにフル参戦するというのだ。

「2018年、僕はホンダと契約してスーパーGTにフル参戦することになった。今年の8月に鈴鹿を走らせてもらったけど、すばらしいレースに参戦することができるというのはとてもうれしいよ」

「これからテストたくさんこなしていかなければいけないけど、2018年シーズンはボクもすごく楽しみにしているんだ。だから、ファンのみんなにも期待してほしいと思ってるよ。2018年シーズンは、これまでの自分の経験をもとに頑張りたい。応援よろしくね!」

 メインスタンドに詰めかけたファンは往年のF1マシンの走行シーンとエンジン音に酔いしれるとともに、バトンのスーパーGTフル参戦への意気込みに耳を傾けていた。

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