地域の環境守ろう 川崎でフォーラム

 川崎市高津区が進めている地球温暖化対策や生物多様性保全の取り組み「エコシティたかつ」を推進するフォーラムが3日、同区役所で開かれた。学校・地域での環境活動や、小学校敷地を3D化して防災につなげる試みなどが紹介された。

 区の主催で、市民ら約150人が参加。同区内の市立小学校全15校では、学校敷地内に池などを造り、さまざまな生物が暮らす「ビオトープ」を整備している。フォーラムでは、梶ケ谷小と子母口小の児童らがビオトープで観察されたトンボなどの生態を解説。メダカを増やすために植物を植えたり、ボウフラの大量発生を防ぐために銅製の10円玉を入れたりといった知恵や工夫も紹介した。和光大学の学生サークルは、大学近くの水田でドジョウを保護するなどの活動を発表した。

 明治大学理工学部の田中友章教授は、小学校の敷地を丸ごと3D化するプロジェクトを紹介した。専用の機材で遊具や樹木も含めて撮影、立体化した映像では、地面のでこぼこを分かりやすく再現。今回は3D化した南原小(同区)の映像を公開し、校庭に雨水がたまる仕組みを解説した。

 田中教授は防災の観点から「地域でも雨水がどうたまってどう流れるかを考えることが大切。まずは身近な学校を3D化することで、子どもにも関心を持ってもらえれば」と話した。

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