山崎武司氏、燕山田のトリプルスリー&3冠王期待「とんでもないことを…」

「Red Bull Batting Mania Japan Final」に参加したヤクルト・山田哲人【写真:編集部】

今季の不調はWBCが影響? 来季は「トリプルスリーは普通にやればできる」

 中日、楽天で通算403本塁打を放った山崎武司氏が、ヤクルト山田哲人内野手の来季復活に太鼓判を押した。バッティングセンターで行われるベースボール・バッティングコンペディション大会「Red Bull Batting Mania Japan Final」が3日に明治神宮外苑バッティングドームで開催され、山田はオリックス中島宏之内野手ともに登場。スペシャルゲストチームとして優勝チームと対戦し、“貫禄勝ち”した。大会アドバイザーを務めた山崎氏は山田の打撃技術を改めて絶賛。来季は2年ぶり3度目のトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)は確実とした上で、3冠王も「十分にチャンスはある」と期待を寄せた。

 山田の打撃を間近で見守った山崎氏は、その技術に何度も唸った。「ちょっとすかされた時に的に当てていた。あれが山田。ちょっと抜かれた時に自分のバッティングが出来る。さすが」。そして、来季復活を“予言”した。

 まずは、打率.247、24本塁打、14盗塁でトリプルスリーが途切れた今季の不振については、「今年は春先にWBCがあって、早い調整で2月のキャンプもやらなければいけなかった」ことを大きな理由として挙げた。

「普通であれば徐々に2月のキャンプで体を作り上げて、4月の開幕に向かう。でも、侍メンバーは突貫工事で仕上げた。ゲームは出来る体にはなっていたけど、やはり毎年やってきたように、1か月じっくりかけて、キャンプで振り込んで土台を作らないといけないということができなかったと思う。その不調が1年間続いちゃったかな」

 だからこそ、通常通りの調整を行える来年は、復活を遂げると断言する。

「来年、彼がこのまま調子が悪くなるとは到底思えない。春からしっかりキャンプをやれば、とんでもないことをやってくれるかなと、僕は分析してるけどね。トリプルスリーは普通にやればできるかな。足さえ怪我しなければ30盗塁はできる。バッティング技術を考えれば、3割も楽勝」

3冠王へポイントは打点も「十分にチャンスはあるよね」

 唯一不安があるとすれば、本塁打だと山崎氏は指摘。ただ、これも順調に行けば確実という前提での分析だ。

「30本もそれほど大変じゃないとは思うけど、3つの部分で順位をつけるとしたら、一番大変なのはホームランかなと僕は思ってるから。でも、普通にやれば打てるけどね。彼の一番の持ち味である、右足にためて、そして力感がないといったらちょっと失礼かもしれないけど、体の回転で打つというのは、やはり天才的なものを持っている。そういう部分では自分の形さえできれば、打つなといっても打っちゃうよね。だから全然心配していない」

 トリプルスリーの先には、さらなる偉業も見えてくるという。3冠王だ。ただ、こちらでポイントになるのは打点。チームメートの“サポート”が必要になるからだ。それでも、2007年に楽天で本塁打&打点の2冠に輝いた山崎氏は、条件が整えば十分に狙えると見ている。

「3冠王に関しては十分にチャンスあるよね。お願いしたいのは、やっぱり1、2番の出塁でしょ。バレンティンが前で、山田が後ろだとあれだけど、彼が3番だったら全部打っちゃえばいいわけだから、十分に打点王も取れるチャンスがある。まぁ、打点に関してはみなさんのご協力がないと、点数は稼げないと思うけど」

 この日、山田自身は来季のトリプルスリー達成に向けて「総合的に、打率も確率を上げたいですし、ホームランにはそこまでこだわりはないですけど、30本打てるように。盗塁はもっと積極的に走れるようにしたいなと思います」と意欲を見せた。山崎氏は「1、2番の出塁と山田の復活があれば、スワローズが6位ということはないんじゃないかな」と、主砲の活躍がチームを“再浮上”させると断言した。「とんでもないことをやってくれる」シーズンになるのか。山田の復活に期待がかかる。

(Full-Count編集部)

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