金属行人(12月4日付)

 師走に入り、寒さが一段と厳しくなってきた。今月は全国的に低気温となる見込みだそうで、日本海側を中心に例年よりも雪の量が多くなるとの予報も出されている。冬場は転倒などのけがが発生しやすく、特に気を付けたい時期だ▼厚生労働省がまとめている労働災害発生状況によると、今年1~10月までの死傷者数は前年同期比1・4%増、死亡者数は同比4・8%増といずれも前年を上回るペースで推移している。近年は団塊世代の退職に伴う世代交代や高齢就業者数の増加、外部環境や人手不足で発生しやすい3H(初めて、変化、久しぶり)災害への対応など労働安全衛生を取り巻く環境も大きく変化しており、企業が対処すべき課題も多様化している▼こうした中、中央労働災害防止協会では全国の労災防止・安全衛生関係団体と連携し、安全衛生に関する教育の促進などを目的とする「安全衛生教育促進運動」を今月から来年4月末まで展開する。法定教育だけでなく、経営トップ層や管理職を含めた幅広い階層に多様な安全衛生教育・研修の充実を促していくのが狙いだ。効果的な安全衛生教育の普及・実施によって安全衛生活動のさらなる高度化につながっていくことを期待したい。

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