「日本ブランドは傷ついていない」、経産省・多田製造局長 神鋼・三菱マテのデータ改ざん「特異なケース」、多くの企業、品質管理を徹底

 「日本のものづくり力、ブランド力が傷ついたという論調があるが、そうは思わない。もっと冷静に見るべき」と話すのは、経済産業省の多田明弘製造産業局長。

 神戸製鋼所や三菱マテリアル子会社など素材産業の有力メーカーで品質検査データの改ざん行為が相次いでいる。問題が広がるにつれて、日本のものづくり力の信頼が揺らいでいるといった声も少なくない。これに対しては「複数の企業で不適切行為が発覚したことは非常に残念だが、そのほかの多くの企業では問題となっていない」と、日本ブランドが毀損したわけではないと強調する。

経産省・多田製造局長

 日本鉄鋼連盟は2008年に発生した品質不祥事を受けて、品質保証体制に関するガイドラインを策定。その後も必要に応じて見直し作業を行っている。多田局長はこうした事例を挙げ、「多くの業界、企業ではしっかりと取り組んでいる。経営者の多くは『わが社は違う。きちんとやっている』と言うのではないか」と、今回発覚した事例はあくまでも特異なケースと指摘する。

 問題が発覚した企業に対しては「徹底した原因究明と再発防止が必要」とする一方、「企業がしっかりと品質管理体制を敷いていれば、日本ブランドが揺らぐことはない」と重ねて強調していた。

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