愛妻も後押しエール「あとは上がっていくだけだよ」
日本ハムの杉谷拳士内野手が4日、札幌の球団事務所で契約更改交渉に臨み、2450万円から320万円減の年俸2130万円でサインした(金額は推定)。
今季は左脇腹や左ふくらはぎなど故障に泣き、出場は35試合で打率.147と不本意な結果に終わった。この日は恒例の爆笑会見を封印。プロ10年目と節目の来季は、必死でレギュラーをつかみにいく。主な一問一答は次の通り。
――サインは?
「しました。300万ダウンなので、気持ちもダウンしています」
――評価を聞いての思いは。
「申し訳ない気持ちでいっぱいです。今年1年間、体のコンディションが上がらず、怪我ばかりしていたので。チームを離れる機会もたくさんありましたし、自分の体ともう一度ゆっくり向き合う時間だったのかなと思っています」
――今季を振り返って。
「1年を通して悔しいシーズンでした。それが評価につながって、こういう結果なので、しっかり受け止めます」
――金額以外には球団からどんな話があったか。
「前向きな話をいただきました。結婚もしましたし、10年目という区切りになります。『中心にいてやってもらわないと』ということを言われたので、僕自身今までの分を取り返すつもりで来シーズンに臨みたいと思っています」
――10月に結婚して来季新たなシーズンを迎えるが。
「今までずっと中途半端なイメージのまま野球をやってきたなと思います。成績もそうだし。ケジメではないですけど、自分の中で環境を変えたいというのがあり、今このタイミングで結婚するのがベストかなと思いました。どん底のシーズンだったので『あとは上がっていくだけだよ』という話も嫁さんからもしてもらいました。すごく前向きな気持で来シーズンに臨めるかなと思います」
――来季の目標は。
「一言でいえば、キャリアハイを狙っていきたいと思います。1年間怪我しないで、とにかく1軍にしがみついていないと成績も残せません。若い選手たちもいっぱい出てきているし、田中賢介さんもいるので、全員と競争してポジションをつかみたいと思います」
――狙うポジションはセカンドになるのか。
「はい、セカンドでやりたいという思いも話してきました。チームの中心になってやりたいなと思います」
来季のモットーは「シンプルに打つ、打って走る、塁に出る」
――このオフに取り組みたいことは。
「入団したときから攻撃型の選手と言われてやってきましたが、ここ2、3年くらいいろんな迷いがあって、中途半端になっていました。もう一度、みんなにない攻撃的なものを出していきたいと思います。今以上にもう少し体を絞って、来シーズンはもう少しスピードを出したプレーをしていきたいと思います」
――あらためて来季の意気込みを。
「去年日本一になって、今年は5位という成績でした。僕自身もふがいないシーズンだったので、チームとしてはもう一度優勝して、秋には皆さんと札幌でビールかけをしたいですし、そのチームの輪の中心になれるよう僕自身頑張っていきます。来シーズンは節目の10年目。自分の今後の野球生活がかかった年だと思うので、しっかりやっていきたいと思います」
――ここ2、3年の迷いとは。
「攻撃的な選手だったのに、守備でどうにかしなきゃいけないと守備の方ばっかり気をとられてしまって。バッティングでもいろんな思いで打席に立ってしまったので、シンプルに打つ、打って走る、塁に出る。この3つをしっかり明確にしていきたいと思います」
――体を絞るのはコンディショニングのためか。
「ここ2年ぐらいウエートトレーニングをして体重、筋力をすごく上げていました。でもやっぱり違うなと思ったので。しっかり絞って、スピード重視のプレースタイルでやらないということで、今から結構落としてます」
――今の体重は。
「78キロあったのが今やっと76.5キロに落ちました。キャンプには74キロにしたいなと思っています。3、4年目に体が一番動いていた時期の体重なので、そこまで持っていけたらなと」
――来年はキャプテンになる中田選手をどう支えたいか。
「キャプテンの自覚ではないですけど『オレのことをこれからキャップって呼べ』という話をされました。意識が芽生えたのかわからないですけど、監督のことをボスって呼ぶようにもなりましたね。『何かあったらボスに連絡するからな』って。キャップを近くで見られるように、僕も1年間しっかり頑張りたいと思います。キャプテン1人孤立させないようにしなきゃいけないので」
――来季の数字的な目標は。
「数字の目標はもうやめました。それに向けて頑張り過ぎてしまうことがあるので、とにかくけがなく1年間、9人のラインナップの中にいるというのを、まずは目標にしてやっていきたいと思います」
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)