「カード偽造」電話に注意 横浜市栄区で手渡し型詐欺集中

 横浜市栄区で11月下旬から今月にかけて、通帳やキャッシュカードをだまし取られて現金が引き出される手渡し型の詐欺事件が集中して起きている。29日からの3日間で6件が立て続けに発生。栄署は巡回中の啓発活動を強化、「不審な電話を受けたら、まずは警察に相談してほしい」と呼び掛けている。

 同署によると、12月1日に2件の被害があった。同日正午ごろから午後1時ごろの間、同区に住む80代の女性2人の自宅にそれぞれ、全国銀行協会職員や百貨店従業員を名乗る男から「キャッシュカードが偽造されている」などとうその電話があり、女性2人は訪れた男にカードを手渡した。

 いずれのケースも、最初の電話から男の来宅までの時間は1時間足らず。受け取り役は周辺で待機しているとみられ、その日のうちに現金自動預払機(ATM)などから現金が引き出されていた。短時間での犯行には、正しい判断をする猶予を与えない狙いなどがあるとみられる。

 このほか、同署には11月29日以降、いずれも同協会職員を名乗る同様の手口による被害を4件確認。通帳1通、カード7枚がだまし取られ、現金計約280万円が引き出された。80代の高齢女性が被害に遭っているのも共通している。

 同署幹部は「カードの不正使用を百貨店から電話で知らせることはあり得ない。教えられた番号には電話しないで」と注意を促している。

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