優れたゲームビジョン、正確無比な左足を持つバイエルン所属のコロンビア代表MFハメス・ロドリゲスは、10年前のサッカー界なら王様になれたかもしれない。しかし、現代サッカーではゲームメイクに集中するトップ下タイプの選手はあまり求められていない。そのことをハメス自身も理解しているようだ。
スペイン『as』によると、ハメスは自身が得意とする純粋なトップ下のポジジョンや、10番らしい選手は世界的に少なくなったとの見方を示しており、役割が変わってきているとの実感を語っている。
「僕は今のサッカー界に10番タイプが残っていると思わない。ポルトに移籍した時、クラブは僕に言ったんだ。君がクラシックな10番タイプということは分かっているが、ポルトではFWとしてプレイをスタートしてもらうつもりだとね。その時から僕は偽9番としてのプレイをスタートさせた。8、10年前とは違うんだ。現代で10番を背負う選手は通常FW、あるいは全てが完璧なMFになるんだ」
昔ならば攻撃にのみ集中する天才肌のトップ下も多く、元アルゼンチン代表のファン・ロマン・リケルメや元ポルトガル代表MFルイ・コスタらがこれに該当する。しかし現代サッカーでMFといえば攻守どちらも高いレベルでこなし、運動量も求められる。また攻撃部分では1人で局面を打開できるスピード、高い得点能力が必要となり、独特なアイディアとパスセンスだけで生き残っていくのは難しい。ハメスも決してスピード抜群な選手ではないが、徐々にクラシックな10番からプレイスタイルを変える努力をしてきたようだ。