<ブレーク盤> 水雲-MIZMO-『帯屋町ブルース』 力強いリエゾン、爽やかなハーモニー

水雲-MIZMO-『帯屋町ブルース』

 NAO、AKANE、NEKOによるボーカル・グループのメジャー・デビュー作。デコルテを露わにした艶っぽい衣装から、国際的に活動するセクシー・タレントかと思う人もいそうだが、氷川きよしほか数多くの演歌を作曲してきた水森英夫の門下生というだけあり、実力は折り紙つきだ。

 表題曲は、土佐で別れた女性を探す男心のやるせなさを歌ったブルース。陽気なメロディーや演奏、そして「ばかだよ ばかだよ」という3人の元気な歌声が、ダメな男をコミカルに演出し、親しみが沸く。

 カップリングは『米~kome~海外バージョン』。日米で活躍するTom Keaneを編曲に迎え、暴れまくるギター演奏を取り入れることで、米作りの手間暇や愛情を力強く歌い上げる演歌がよりダイナミックに聴こえる。途中、アメリカ出身のNEKOによる英語でのガイドも斬新。

 力強いリエゾンも爽やかなハーモニーも耳に残る。本作を聴けば、3人ならではの信頼関係をもとに何かを始めたくなるはず。

(徳間ジャパンコミュニケーションズ・1204円+税)=臼井孝

© 一般社団法人共同通信社