不安が手に負えない時は不安障害の可能性があります。もしも、不安感がどこからともかく湧き上がってきたらどうでしょう? 不安は何が起こるか予測出来ない時、起きやすいと思います。例えば、試験の前、人に初めて会う時、何か失敗した時、上司の顔を見た時?といったように、いろいろな状況がありますが、不安は心の病気の基本的な症状でもあります。今回は病的な不安とはどのようなものか、お話ししたいと思います。
不安になると現れる症状
不安を覚えると、不快な気持ちがするばかりか、体の生理的機能も変化します。脳内の視床下部、下垂体、副腎が連鎖的に活性化され、血中のアドレナリン濃度が高まり、以下のような症状が現れてきます。
・動悸がする
・呼吸が速くなる
・血圧が上がる
・胃がムカムカする
・トイレが近くなる
・落ち着かない
・筋肉のけいれん
・頭痛
しかし、不安には大切な役目もあります。危険な状況が迫っているのを、不安感という形で本人に知らせることによって、危険を未然に回避するのです。例えば、夜遅くまで、仕事がなかなか片付かない時、ちょっと不安を感じませんか? 早く仕事を切り上げなくてはと、ペースを上げるきっかけになる事もあるでしょう。でも、別に不安も感じずにマイペースでしてしまった場合、終電に間に合わなかった……ということにもなってしまいますよね。
このように、不安は日常的なものです。しかし不安が病的になると、不安を感じるべき時でなくても不安を覚えてしまいます。
病的な不安の症状
不安が病的になると、不安をコントロールするのが困難になり、今まで通りの生活が難しくなります。不安に対して心身が強く反応したり、不安を回避する為に非合理的な行動をしたりといった、以下のような症状が現れて来ます。
・勉強の能率が落ちたり、仕事が手につかない
・心が落ち着かず、追い込まれたような気分になる
・感情が爆発しやすくなる
・突然、息苦しくなり心臓がドキドキしたりと、パニックの発作が起きる
・戸締り確認や手洗いをし続けてしまうといった強迫的な行為をしてしまう
・ある種の状況や、モノや人が怖く、避けてしまう
・睡眠障害が起こる
病的な不安は心の病気の大きな分類では不安障害と呼ばれます。不安障害には全般性不安障害、パニック障害、強迫性神経症、恐怖症、外傷後ストレス障害(PTSD)、急性ストレス障害といった心の病気があり、不安障害はうつ病などの気分障害と並んで、最もよく見られる心の病気です。もしも不安が手に負えないようなら、その不安は病的な可能性もあるので、精神科(神経科)で相談してみるのが良いと思います。