街宣車で共同危険行為、右翼メンバー「不当」請求却下 横浜地裁判決

 街宣活動で集団走行していた車の信号無視に道交法の共同危険行為を適用し免許取り消し処分を行うのは不当として、県内在住の右翼団体の男性メンバー4人が県に同処分の差し止めを求めた訴訟で、横浜地裁(大久保正道裁判長)は6日、男性らの訴えを不適法として却下する判決を言い渡した。

 主に暴走族対策で使われることの多い共同危険行為を、街宣車の活動に適用して免許取り消し処分になれば全国で初めて。県公安委員会は7月に同処分を行う方針を決め、原告らに出頭を命じている。

 訴訟で原告側は、免許を要する仕事をしており同処分を受けると重大な損害が生じると主張したが、判決は取り消し訴訟を起こすなど事後的な救済を求めることが難しい事情はないと指摘。行政事件訴訟法で規定されている差し止め訴訟の要件を満たさないとし、共同危険行為適用の是非について判断を示さなかった。

 判決によると、右翼団体は2015年10月、道路使用許可を得た上で街宣車20台による街宣活動を東京都内で実施。約4キロの道中、一部の車が赤信号を無視して前方車両を追い掛けるケースがあった。警視庁は共同危険行為の疑いでメンバー20人を書類送検し、後に全員が起訴猶予処分となったが、免許取り消し処分が検討された。

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