核兵器禁止条約「認識させる努力を」 長崎大レクナ 中村准教授が講演

 核問題の理解を深める学習会が5日、長崎市内であり、長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA)の中村桂子准教授が講演。今年7月に国連で採択された核兵器禁止条約について「価値や意義を核依存国に認識させる努力を続けて進む必要がある」と話した。

 中村准教授は禁止条約の制定交渉会議を傍聴。採択が決まった瞬間、各国政府関係者や市民が歓声を上げながら健闘をたたえた光景を紹介し、「保有国の圧力がある中で賛成多数で採択され安堵(あんど)感を覚えた」と心境を振り返った。

 廃絶に向け、核保有は大国の証しであり抑止の象徴だとする「価値観」を変えなければいけないと強調。「核兵器に汚名を着せることが今の市民社会に必要。条約が発効すれば、核に対する世界の常識を変えるツールになる」と語った。

 学習会は、原水爆禁止長崎県民会議と県平和運動センター被爆連が毎年開催。約90人が参加した。

核兵器禁止条約について講演する中村准教授=長崎市桜町、県勤労福祉会館

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